過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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82: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/11/05(火) 22:08:31.02 ID:s4MY/f+L0

「『聖人』の幸運ってことなのかね。さっぱり見つからねえな」
「本気で捜していないからじゃないか?」
「…元々サーチはそんなに得意でもねえんだよ」

はー、とため息をつき。
トールは甘くなさそうなクッキーをつまんだ。
ぶどうクッキーだったらしく、レーズンの味が口中に広がる。
ほろほろと口の中で溶ける生地には、たっぷりのバターが使われていた。
どことなく卵の味もする。なるほど、素材が良いのであれば高価であるのもうなずける。

「美味っ」
「俺様の目利きだからな」

偉そうに言葉を口にして、彼女はさくさくとビスケットを食べる。
机の上に山と積まれたお菓子は、恐らく今日中に無くなることだろう。

「……そんなに食べても太らないって、何かこう…人体じゃないよな、やっぱ」
「天使に近いからな、この身体は。正常な人体でないことは確かだよ」

もしゃもしゃぼりもりもぐもぐ。

食べながらもくぐもった声になっていないので、恐らくほっぺたに溜めているのだろう。
いつもの様にもう少し上品な食べ方をしてくれないだろうか、と思いつつ、トールもビスケットをかじる。
彼女と暮らすようになってから、甘いものがちょっとだけ好きになったような気がする。
あくまで"気がする"だけなので、沢山食べたいなどとはまったく思わない訳なのだが。


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