過去ログ - 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part10 -SS速報VIP

過去ログ - 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part10

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922:チキン野郎は今日も逃げる[sage saga]
2015/08/16(日) 22:37:39.59 ID:KCPtvZzb0
「おい、落ち込むな！　まだ死ぬって決まったわけじゃねえんだぞ！！」
「だって、だって……」

　トバさんの話の後、ボクは自室の隅で膝を抱えていた。これから待つ運命を考えると怖くてしょうがなくなったからだ。

「ボクなんか、絶対にすぐに死んじゃいますよ。弱っちいし、昔から不良に目をつけられやすいし」
「前者はともかく、後者は関係ねえだろ。……それにお前なら自分の命だけは守れる」
「何か言いました？」
「気のせいだ」

　クッションに頭を乗せながら、トバさんは僕を励ました。

「安心しろ。都市伝説や契約者つっても、【注射男】みたいな危険な連中ばかりじゃねえ。それに、もし都市伝説に襲われても助けに行ってやる」
「でも、どうやって知らせるんですか？」
「都市伝説と契約者は一心同体なんだよ、何かあったらすぐわかる」
「ほ、本当ですか！？」
「ああ、安心しろ。ちゃんと助けてやる。お前には借りがあるからな」

　一筋の光に心が照らされた。地獄から天国に引き上げられた気分だ。

「まあ、お前が死んだら俺も死ぬからってのもあるんだけどよ」
「え！？」

　不穏な言葉に揺さぶられる。

「じゃあ、その逆も？」
「いや、それはない。都市伝説が死んでも契約者に影響はない。ただの人間に戻るだけだ」　

　なんだか不公平な話だ。……決して、死にたい訳ではないけれど。

「とにかく、お前は今まで通りの生活を過ごせ。俺はそれを見守る」
「はい」

　重い空気が少し消えた。さっきより、呼吸がしやすい。一度、大きく息を吸い込む。

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