過去ログ - 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part10 -SS速報VIP

過去ログ - 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part10

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924:チキン野郎は今日も逃げる[sage saga]
2015/08/16(日) 22:41:03.80 ID:KCPtvZzb0
「そういえば、俺のことをどうやって説明する気だ？　もうちょっとすれば、家族も帰ってくるだろ」

　ソファーの上で、テレビを眺めていたトバさんから疑問が投げかけられた。
　キッチンで料理中のボクは、キャベツを千切りにしながら答える。

「お父さんとお母さんは、海外に出張しています。帰ってくるのは、姉ちゃんだけです」
「いや、その姉貴にどうやって説明するん『必要ないです』は？」

　キャベツをボウルに移し、鳥肉をまな板に上げる。

「姉ちゃんには説明とか必要ないです。害を与えない限り、勝手に受け入れてくれます」
「我が家に【人面犬】がいてもか？」
「犬を飼うことにした、その一言だけで十分です」
「……ふーん」

　トバさんは、納得していないようだ。
　けれど、それも時間の問題。姉ちゃんが帰ってくれば解消される。弟のボクが言うのだから間違いない。

「まあいい。それよりも、お前の名前をまだ聞いてなかった」
「あ、そうですね。すみません」

　トバさんが名乗った時に、こちらも伝えておくべきだった。　

「空井　雀（うつい　すずめ）です」
「……雀？　変わった名前だな」
「親が鳥好きなんです」

　もっと詳しく言うと空を飛ぶもの好き。鳥、飛行機は言わずもがな、未確認飛行物体さえ愛している。
　空港に行くだけで二人とも興奮し、いざ乗るとなると子供みたいな反応を見せる。息子と娘を、日本に置いていくとしてもだ。
　お父さんなんて、海外へ行く機会が多い企業を選んで就職したくらいだ。筋金入りとしか言えない。

「ってことは、お前の姉貴も鳥の名前か？」
「はい、空井――」

　その時、玄関の扉が開く音がした。

「あ、来ましたよ」

　包丁を置き、玄関へ向かった。
　
――続く――

前回から十日も経ってた……

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