1: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:49:41.42 ID:+2aQcdvk0
彼女の名前は秋月律子。
765プロ所属のアイドルだったのだがプロデューサーとして転身し、今は三浦あずさ、水瀬伊織、双海亜美のユニット『竜宮小町』の担当をしている。
そんな彼女の朝は世間一般の普通のOLに比べると幾分かは早い。
今日はいつもより早く目が覚めてしまったようだ。
サイドテーブルに置かれた緑色の少し型遅れな2つのベルが付いた目覚まし時計に手を伸ばす。
寝ぼけ眼を更に薄目にして時間を確認し、二度寝をするか少し手の込んだ朝食を作ろうかと思案を巡らせていると
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2: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:52:02.67 ID:+2aQcdvko
「なんかうるさい…… 」
!?
何かの物音が聞こえたのかベッドから上半身を起こす。
3: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:53:18.47 ID:+2aQcdvko
「なんで私の状況をリアルで実況してんの?」
!!
寝ぼけているのか? 誰かに話しかけているのか中空に視線を泳がせ
4: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:54:17.76 ID:+2aQcdvko
それは私にも解りません。
大いなる意思、とか、ご都合主義的な何かではないですかね?
「その辺りは多分どれだけ考えても答えは出ない気がするわ…… 」
5: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:55:49.85 ID:+2aQcdvko
彼女が起き上がった事で隣で寝息をたてるプロデューサーに掛かっていた布団がずれ、引き締まった上半身が露わになる。
少し寝癖のついた頭を見て優しく微笑みながら撫でてみる。
と言ったら隣にプロデューサーが寝てるでしょ?
6: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:56:49.64 ID:+2aQcdvko
彼女はしばらく考えた後に全てを理解したようだが確認の為なのか、わたしに説明を求めて来た。
「!!」
「じゃあ説明して」
7: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 20:57:47.66 ID:+2aQcdvko
「簡単に言うと?」
宇宙意志の反作用が影響してあまり変な事は出来ません。
「あなたの言い方からすると、あなたじゃなくて私が何でも好きに出来るみたいに聞こえるんだけど?」
8: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:02:48.05 ID:+2aQcdvko
他にも、私の口調は説明的で時折、やや難しい言い回しを好んで使用します。
仕様です。しょうがないです。
「……」
9: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:03:46.35 ID:+2aQcdvko
「そういえば凄く長い時間喋ってた。早起きしたのに意味が…… 」
慌てて時間を確認すると寝起きで見た時と
長針、短針、秒針の位置が変わっていない。
10: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:04:46.39 ID:+2aQcdvko
事務所までの道のり程度であれば原稿用紙で2枚、800字ほど。
興が乗ればドキドキわくわくの大冒険や
道すがら命を狙われまくるサスペンス
街の住民全員がゾンビや殺人鬼が登場するホラー
宇宙人と戦ったり仲良くなったりのSF等々、お好きなルートに導く事が出来ます。
11: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:06:33.19 ID:+2aQcdvko
生きているという事はそれだけで何かしらの物語を紡いでいるんです。
その物語が色々と複雑に絡み合って織り上がった物が貴女の人生になるのです。
今、ちょっと良い事を言いましたね。
12: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:07:32.98 ID:+2aQcdvko
そう言い残すと彼女は洗面所兼脱衣所に消えて行った。
(歯を磨きながら洗面所の鏡に写った自身の姿を角度を変えながら簡単にチェックしていく。
口をゆすぎ終わり眼鏡を外し洗面台の傍らに置く。
パジャマとブラ、ショーツを素早く脱ぎ、まとめて洗濯機に放り込む。風呂場に入り蛇口とシャワーの切替栓がカランの方になっている事をしっかり確認してから赤い印の付いた蛇口を捻りお湯に変わるのを待つこと十数秒。過去に何度か頭から冷水を浴びた経験が彼女をここまで慎重にさせているのだろう)
13: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:08:38.10 ID:+2aQcdvko
(そう言いながらノンシリコンで少し高価なシャンプーの泡をシャワーで流し終え、コンディショナーを手に取り丁寧に髪全体に伸ばしていく。成分が浸透してからしっかり洗い流し、ボディーソープのボトルのポンプを数回押してスポンジに付けて泡だてる。
たっぷり泡を纏ったスポンジで首すじを丁寧に洗いそのままの流れで耳の後ろや二の腕、肘や手の先まで進めて行く。
顎の下を通過して156cmの身長にやや不釣り合いな85cmの)
ドンっ!!
14: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:09:26.25 ID:+2aQcdvko
「ちょっと!! 聞いてんの!?」
ハイっ! 聞いてます!
はぁ、体も顔も洗い終わってますね……
15: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:10:41.21 ID:+2aQcdvko
「で、もうすぐ765プロに着く訳なんだけど」
16: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:11:51.33 ID:+2aQcdvko
(今日は事務所に行っても竜宮小町の3人はオフだし書類整理だけだから気が重いのよね)
そう思いつつも事務員の音無小鳥も午前中は社長の所用で事務所に居ない。
他の765プロのアイドル達もオフであったりレッスン場やスタジオ、テレビ局に直行し午前中だけはプロデューサーと2人きりという事実に思わずニヤけてしまうのだった。
プロデューサーに何も無ければ、だが。
17: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:13:00.33 ID:+2aQcdvko
それは嫌がらせですか?
(へ? 何が?)
そんな長文はわたしの仕事じゃないですか!
18: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:14:14.68 ID:+2aQcdvko
貴女に気付いたみたいでこっちに来ま
ドンっ!!!
「えっ!?」
19: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:15:15.88 ID:+2aQcdvko
「プロデューサー!! プロデューサー!!」
現場の秋月さん?
「うるさい! そんな実況してアンタ馬鹿じゃないの!? プロデューサー! しっかりしてください!」
20: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:16:12.45 ID:+2aQcdvko
「じゃあ、時間を戻してっ!」
はぁ……出来なくは無いですが未来を変えるような大きな力を使うと……
「いいからっ! 出来るなら時間を戻してっ!」
21: ◆L1dx14VEQM[saga]
2013/10/30(水) 21:17:05.82 ID:+2aQcdvko
そこまで否定され尚且つ、泣かれてしまうとは……
貴女が望むなら時間を戻して差し上げましょう。
ですが……プロデューサーが今日、何か途轍もない衝撃を受ける運命を変える事は出来ませんよ?
「……アンタはどうなるの?」
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