143: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:19:07.22 ID:199Q0AEFo
「なんで……私の目の前で……私が、死んでいるの……?」
その屍体が語りかける意味は理解できないけれど、見てはいけない物だと直感した。
144: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:19:53.38 ID:199Q0AEFo
「うッ……お、ぇっ……」
胃が激しく痙攣、収縮するが、なにも出てこない。
おかしい。
145: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:20:20.60 ID:199Q0AEFo
息が出来ない。
苦しい。
苦しい苦しい。
146: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:20:51.27 ID:199Q0AEFo
――で、加藤。ホトケから最近の情報を収集できるか?
――いえ、損傷が激しく断片すらサルベージできません
147: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:22:01.93 ID:199Q0AEFo
「――仕方ない、先日の統合バックアップから復旧するしかないか」
チーフエンジニアは、やれやれ、と頭を掻いて、若い方のエンジニア、加藤へ訊ねる。
148: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:23:30.93 ID:199Q0AEFo
井上と呼ばれたチーフは、「だろうな」と天を仰いで、ハァ、と嘆息した。
「……仕方ない、再構築は仕事分だけで進めるしかないな」
「ただ、その北条加蓮に、渋谷凛とバーへ行ったことが記録されています」
149: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:24:12.47 ID:199Q0AEFo
「たわけが、そんなこと云ってる場合か」
コツンと加藤の頭を殴って、続ける。
「次号の体齢は15だ、酒は呑めん。整合性を持たせる為に北条加蓮の方も改竄しておかねばな。渋谷凛の再構築と北条加蓮の改竄、全ての所要時間は?」
150: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:25:16.68 ID:199Q0AEFo
ねえ、一体何の会話をしているの?
ねえ、そんなことより助けてよ。
151: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:25:48.00 ID:199Q0AEFo
しかし、何も答えは返ってこない。
「ねえ、それを……どうするの?」
もう一度訊く。
152: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:27:27.76 ID:199Q0AEFo
――
既にとっぷりと日が暮れている中、他の作業をしていた井上に、加藤が報告した。
153: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:28:09.70 ID:199Q0AEFo
寝ている凛の肩を、とんとん、と叩いて起こす。
ぼんやりと薄く、その後、ゆっくりと眼を開け、凛は覚醒した。
「んー……」
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