154: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:29:02.53 ID:199Q0AEFo
井上は満足そうに頷いて、
「メンテ後の起き抜けだからな、だるさは一晩寝れば回復するはずだ」
そう云って、手を差し出した。凛はその手を掴んで立ち上がり、一度、うーん、と伸びをした。
155: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:31:04.92 ID:199Q0AEFo
・・・・・・
部屋から去る凛を見送ったのち。
156: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:33:21.64 ID:199Q0AEFo
「――しかしなんで急に投身なんかしたんでしょう? そんな素振り、今日の朝ですら見せていなかったのに。確かに終業間際は様子がおかしかったけれど」
その問いに、加藤が若干困った表情で屍体を見る。
「ホトケさんの脳がここまで潰れていなければ簡単にトレース出来るんですが……」
157: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:34:45.94 ID:199Q0AEFo
「――そうですね……いつも右手に持っている鞄が左手にあったことと……あぁ、昨夜の記憶が一切なく、更に空腹を憶えず昼食はおろか朝食も摂っていないと云っていましたね」
「まずは前者から見て行きましょう」
そう云って加藤は、渋谷凛――だった“もの”の傍へ寄り、右手の状態を調べた。
158: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:36:41.56 ID:199Q0AEFo
「――周知の通り、通常と違う感覚を持った場所に接触すると、不随意な独自チャンネルが生成されてしまうのがNEURONetのウィークポイントです」
「そこから何らかの干渉があったと?」
ちひろの指摘に、加藤が険しい顔つきで問うと、井上はコンソールを離れて屍体に近づいた。
159: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:37:42.90 ID:199Q0AEFo
井上が片方の眉だけ上げて、嘆息する。
「ただ、これは何らかの『きっかけ』にはなるかも知れんが、投身の理由付けにはならんな。千川女史の云っていた、後者について考えてみよう」
「その話を聞いた時点で少し気になっていたんですが……摂食を抑制するのは、間脳の視床下部腹内側核です」
160: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:40:14.56 ID:199Q0AEFo
全員の頭の中に、或る事態が想像されていたが、内容が内容なので、口を開き難い。
「――……膣内部を検査してみてください」
暫く静かに考えていたちひろが、そう要請すると、加藤が、屍体の右腕の傍から下半身へと移動した。
161: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:41:08.30 ID:199Q0AEFo
「ビンゴですね。渋谷凛のDeNAとは一致しない体液が三種、検出されました」
加藤がちひろを見て云い、井上は顎に手を当てる。
「……強姦―レイプ―、だな」
162: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:42:30.19 ID:199Q0AEFo
「――あらあら。うちの大事な道具を随分と可愛がってくれた人がいるようですね」
ちひろが、相変わらずの笑みを浮かべたまま云った。
「――凛ちゃんは真面目ですねえ。犯されたからと云ったって、“器―アイドル―”としての機能は別に問題ないのに」
163: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:43:54.48 ID:199Q0AEFo
164: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/02(土) 22:44:57.08 ID:199Q0AEFo
――君、アイドルになる気はないか?
――ふーん……ンタが私のプロ……ーサー?
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