239: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:16:50.33 ID:9qjjXKR6o
その後、数十分おきに、何回か、同様のプロモーションを行ない、OSのトップメニューへと戻って来る。
「――お疲れ様、凛ちゃん。いつものことだけど、反響凄かったわね」
240: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:18:00.67 ID:9qjjXKR6o
「――来週なんだけど、プルリーグへの出演が凛ちゃんたちにFixされたの。時間のあるときに、ちょっとずつ色々と調べておいてね」
クイズ・プルリーグ。――常識問題を中心に、五人一チームで対抗し合う、NEURONetでも指折りに人気の番組だ。
その出題内容は広事苑からタレント銘鑑、大学や高校の過去問など幅広い。
241: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:19:50.66 ID:9qjjXKR6o
・・・・・・
カフェテリアでサンドイッチを買った凛は、開放的なエントランスのスペースへ腰掛け、自らの携帯端末をポートに挿した。
242: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:20:41.83 ID:9qjjXKR6o
――この日本タレント銘鑑にはとてもお世話になってるのよねえ
以前ちひろが、仕事のマッチング等に欠かせない、と笑っていたことを思い出す。
ひとまず、自分の記述箇所を探してみた。
243: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:21:44.33 ID:9qjjXKR6o
その他にも、資格や特技、長所短所、好きな色、好きな食べ物、受賞、代表作品など、事細かに記載されている。
中には、この情報本当に必要なの? と思えるようなものまで。
流石、タレントの情報を完璧に網羅している銘鑑だけある。
244: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:22:48.23 ID:9qjjXKR6o
こんな“お節介さ”も、意識しなければすぐにフェイドアウトするのだが。
ふと凛は、その切れる頭に、微かに引っかかるものを感じた。
――そもそも渋谷凛って、50年前からいるだろう?――
245: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:23:46.32 ID:9qjjXKR6o
「……今見ているのは日本タレント銘鑑2062。……ということは、2061とか2060もあるはずだよね。どこかで読めないかな」
ざっと走査するが、銘鑑の利用案内には、大きな売りとして『当データベースは一週間ごとに更新され、常に最新の状態でご覧頂けます!』と書いてある。
思い立った次の瞬間に公式からNOを示され、凛はがっくりと肩を落とした。
246: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:24:40.97 ID:9qjjXKR6o
「ま、そりゃそうだよね……」
嘆息して、サンドイッチの最後の一欠片を口へ放り込む。
すると、思わぬセクションを見つけて、危うく喉を詰まらせそうになった。
247: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:25:43.23 ID:9qjjXKR6o
「あれー? 凛、ここでお昼食べてるの?」
凛は、自らを呼ぶ声で我に返った。
248: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2013/11/03(日) 18:27:40.32 ID:9qjjXKR6o
ちょうどいいタイミングだと思い、凛は気になっていることを解消しておこうと、訊ねた。
「ねえ加蓮。最近うちにお酒を持って来た? カルバドスなんだけど」
「え、凛の家に? カルバドスを? 持って行くわけないじゃん。そもそも、凛のとこへ遊びに行ったのって、もうだいぶ前だよ? なんで?」
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