過去ログ - 提督「心から愛しい羽黒に捧ぐ。」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/02(土) 19:33:27.66 ID:4zCQ4lZMo
私は横須賀に着任した。
まだ右も左もわからぬ若造の自分には艦娘たちはただの兵器という認識であった。
戦争の明暗は私にかかっている。
私は真っ白い士官服に袖を通し、士官帽をかぶる。
駆逐艦と軽巡洋艦で近海を平定し、沖ノ島へと進軍した私には怖いものなど何もなかった。
霧島、筑摩、赤城、高翌雄、そして、羽黒。
この5人の勇士がいれば私には怖いものなどない。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/02(土) 19:35:39.57 ID:WGLTiv6I0
期待 しかし早速誤字ってる件について それともこれであってるのだろうか?
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/11/02(土) 19:37:27.89 ID:4zCQ4lZMo
私は彼女たちを初めは兵器としか見てはいなかった。
今の私からは考えられないほど冷酷であったと思う。
雷と電はよく文句も言わずに私に従ったものだ。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 19:39:28.38 ID:4zCQ4lZMo
>>2
ごめんなさい。狙ってないです
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 19:42:43.63 ID:4zCQ4lZMo
沖ノ島へと進軍する前日、私は特に荒れていた。
初めて艦娘を喪い、満身創痍で撤退をさせた自分自身に腹が立っていた。
執務室で浴びるように酒を飲み、私を見つめて沈んでいった駆逐艦、響に対して涙を流した。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 19:45:41.06 ID:4zCQ4lZMo
そんな時、執務室の扉が控えめに叩かれた。
私は反射的にどうぞといったはずだ。そして、扉を開いた彼女に驚愕した。
「あ、えっと……ごめんなさい……」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 19:48:51.62 ID:4zCQ4lZMo
「私を罵倒したければしたまえ。君には、君たちにはその権利がある」
「……提督は職務を全うしました。私はそう思います」
杯に残った酒を一気に飲み干して私は羽黒の瞳を見つめた。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 20:13:33.63 ID:4zCQ4lZMo
「提督はお優しいかたです。こうして沈んだ艦のために泣いているのですから」
じわりと視界がにじみ私は嗚咽を噛み殺した。
「……ごめんなさい、報告は後日行います」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 20:19:40.45 ID:4zCQ4lZMo
私は、それ以来彼女を頻繁に執務室に呼びつけるようになった。
互いに他愛もない話をするだけの純情な交わりが私達には似合っていた。
時には文学を語らい、時には芸術を語らい、時には戦術を語らった。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 20:27:35.55 ID:4zCQ4lZMo
抱きしめたあとは接吻と愛撫を繰り返した。
唇をなぞり、首を食み、手首に舌をはわせた。
そうして肌を重ねているうちにどちらからともなく離れてゆく。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/02(土) 20:46:10.35 ID:4zCQ4lZMo
鉄底海峡。
私に与えられた地で私は指揮をとった。
いつもの5人は相変わらず私に従い、そして着実に戦果を挙げていた。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 03:28:30.54 ID:swHYW4Jko
敵の空母と戦艦からの攻撃は熾烈だったが、今まで私が乗り越えてきた修羅場の比ではない。
しかし、ついに雷撃できる距離まで艦隊は迫った。
敵から羽黒に向けて2本の魚雷が放たれる。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 03:48:10.61 ID:swHYW4Jko
以上です。
羽黒が轟沈したのでむしゃくしゃして書きました。
このあとまだポツポツ書く予定です。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/03(日) 03:53:19.02 ID:dlI0QC6to
轟沈しちゃったのか…
楽しみにしてる
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/11/03(日) 03:55:58.55 ID:dhwOsPjG0
乙。もっと読みたいですよ!
その後が気になる
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/03(日) 07:05:15.77 ID:j97TKaKxo
乙
続きも楽しみにしてます
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 19:52:02.44 ID:swHYW4Jko
夕方の執務室には虚しく軍歌が響く。
かつては羽黒と共に耳を傾けた音色が虚空に溶ける。
軍艦行進曲。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 20:05:35.97 ID:swHYW4Jko
杯に残った酒を飲み干してその来客を見やると、我が艦隊の旗艦、霧島であった。
「あぁ、霧島か……私に何か用事でも?」
「お、落ち着いて聞いてくださいね? 他の部隊より鉄底海峡にて羽黒らしき重巡洋艦の姿を見たとの報告がありました」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 20:11:22.40 ID:swHYW4Jko
「羽黒はね、最期に私を見たんだ。雷撃の水飛沫にかき消されて死体は見つからなかったとはいえ、一体彼女はどこにいたというんだね?」
「命からがら逃げて、何処かの島に身を隠しているやもしれません!」
霧島の必死な言葉に、私は喉を鳴らして笑った。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 20:18:04.24 ID:swHYW4Jko
「私達は羽黒が轟沈したなどと思ってはいません! 彼女が生きているのなら奇跡でも偶然でもいいんです!! 栄えある『第一艦隊』の希望を笑わないでください!!」
その言葉に私はたまらず霧島の瞳を見つめた。
メガネの奥の彼女の瞳は潤んでいた。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/03(日) 20:22:00.20 ID:swHYW4Jko
「第一艦隊全艦に告ぐ! 各員対艦装備を行い鉄底海峡へ進軍せよ! なお、栄えある第一艦隊には1名の欠員の補充が必要である!!」
愛国行進曲のメロディと共に私は司令を行う。
「今回も5『人』での出撃を行う! 旗艦『霧島』以下『筑摩』! 『高雄』! 『赤城』! そして『日向』!」
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