過去ログ - ブギーポップ・クロス Part2 〜神様のクラクション〜
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45: ◆qXEKQweJllf.[saga]
2013/12/03(火) 01:27:55.60 ID:5P51h/oho

〜〜〜

蕎麦をすすりながら、考える。

涼宮ハルヒという女の子が何故願望実現能力などという力を持ったのか。

何故、僕が超能力者として選ばれたのか。

何故、世界は僕たちを敵と認識してしまったのか。

「美味しいですねぇ」

目の前でぽやぽやと笑う彼女を、僕は静かに見つめる。

この人も世界の敵。

目の前の彼女とは正反対で、表情をあまり変えないもう一人の女の子。

その子も世界の敵。

それが納得いかなかった。

「えぇ、朝比奈さんの時代にも蕎麦はあるのですか?」

「ありますよぉ〜。私お蕎麦大好きですもん!」

ニコニコと世界を癒すように笑う彼女が世界の敵。

彼女たちにそんなワードは似合わない。

「そうでしたか。では、今度美味しいお蕎麦屋さんへ招待しましょう。
いくつか知っているんですよ」

彼女たちの前だと素顔の笑顔が自然と出てしまう。

はじめは敵対組織の下っ端どもくらいの認識だったが、僕は彼女たちを、好きになった。

恋なんかじゃない。

きっと、これは……家族愛だとか、そういうものに近いんだと思う。

僕の世界は変わった。

嘘をつくことを極力やめ、機関というペルソナを脱ぎ捨て素顔で人と接することが出来るようになった。

そして、それと同時に全てを失ったような気がする。

心が満たされても、別の部分がぽっかりと口を開けている。

「わぁ……嬉しいです〜!
あっ、長門さんも誘いましょうよ!」

無邪気に笑う彼女と、些細な表情の変化で喜びを表すあの子だけは、守りたいと思った。




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