154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 17:34:36.64 ID:nOLAyVuT0
今、思えば、親父の痴漢を防ぐ方法なんていくらでもあったんじゃないだろうか。
だって、毎週金曜日にあの車両にいなくていいし、椅子のそばにだって頑張れば陣取ることはできる。
そもそも、佐藤は泣いてはいたが、痴漢を撃退する練習などと言ってはいたが、痴漢を拒否するような決定的な言葉を言っていない。思い返せば返すほど、私は踊らされていたような気さえする。
155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 17:49:16.39 ID:nOLAyVuT0
公園の街灯が灯る。気がつけば、辺は真っ暗だった。
蛾の群れの下で、私は砂利音に顔を上げる。
「……佐藤」
156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 17:57:41.98 ID:nOLAyVuT0
「これで大丈夫」
勝手に家に入ったことは言及して来なかった。それが、佐藤の攻めるポイントだと思っていたけれど。佐藤は何も言い返してはこない。
「……」
157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/01(日) 17:58:10.91 ID:nOLAyVuT0
ちょっと2時間程抜けます
158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/01(日) 17:59:20.43 ID:EI3u2TvKo
親父ぃぃぃぃ!!!
159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/01(日) 19:19:08.66 ID:hWH3NSy+0
追いついた
はよ!はよ!
160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 20:26:33.40 ID:nOLAyVuT0
私はまた顔を膝に埋めた。もう、佐藤の顔を見てられない。
自分の言った言葉が、割れたガラスのように胸の辺りに降り注いでいるようだった。
「お父さんは好き……何よりも大切」
161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 20:44:23.54 ID:nOLAyVuT0
「でも」
佐藤は、ジャングルジムに登り始める。小さな彼女は、一見すれば小学生に見間違えてしまう。
昔は、ここでこうやって遊んでたのかもしれない。
162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 20:53:57.42 ID:nOLAyVuT0
佐藤は服についた土を払いながら立ち上がる。
「宮下さん……」
馬鹿な私。涙でぐちゃぐちゃの顔を見せておきながら、恥ずかしげもなくよくそんな事言えたものだ。
163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/01(日) 22:00:48.76 ID:nOLAyVuT0
「じゃあね」
私は踵を返す。佐藤に背を向け、逃げるように歩き出す。ハンカチなんて意味ない。優しくするな。
「宮下さん……」
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