過去ログ - ウサミ「狛枝くん、みなさんと仲良くしてくだちゃい」狛枝「えっ」 2周目
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908:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:39:16.84 ID:yKB+E4So0
 金見雄大は、シャイで、からかうと可愛いやつだった。大人しい生徒だと思われているが、慣れてない人にはぶっきらぼうに振る舞ってしまうだけだった。半年ほど前に付き合い始めた一学年下の女子──チヒロちゃんだったか──とのことを聞くと、顔を真っ赤にして、普通だよ、と。とにかく普通だよと。彼女の容姿に関しても、性格に関しても、出来事に関しても、普通、としか言わない。それも少し焦ったようにしながら。茹で蛸のように赤面して、誤魔化すように言うものだから、ああ、照れてるんだなあと微笑ましかった。恋愛事情以外に関しては、それなりにお喋りでもあった。
 森下太一は、穏やかな少年だった。身体はクラスの男子で一番小さくて、少しだけ、少女のような面影のあるくりくりした目が特徴的だった。菫谷仁(男子六番)や新垣夏季(男子十二番)がよくからかってたっけ。──やーい、チビ! すると、こう言うのだ。──チビじゃねえし、まだ成長期だし! 空太は太一が背が低いのを気にしているのを知っていたので言わなかったが。そんな風に太一は、例え自分が気にする部分を小突かれたりしても、決して怒らなかったし、冗談にして笑っていられるやつだった。二人ともいいやつだった。
 そして、八木沼由絵は──自分はあまり接点はない。その恋人の方とはよく話す真柄だったが。ただ、間宮果帆とは幼なじみだったと言う。昼の放送で由絵の名前が呼ばれて、果帆は苦しそうな顔をしていた。普段通り、気丈に振る舞ってはいたが。でも空太は知っている。空太がソファーで横になって、暫くして、果帆の啜り泣く声が小さく聞こえた。すごく、すごく小さかったが。心配を掛けさせまいとしたのだろう。間宮果帆と言う少女は、少しだけ金見雄大と似ているところがあった。慣れない相手にはぶっきらぼうで、不器用。おまけに口が悪い。けれど、情熱的な少女だ。だからこそ空太も、普段から割と親しくしているのだし、接しやすさを感じているのだった。
 続いて空太は、レ点の付けられていない生徒に目を走らせて行く。そして、一人の女子生徒で視線が止まった。──佐倉小桃。彼女は空太には、よくわからない少女であった。悪い意味ではなく。弱いんだか、強いんだか。淑やかなのか、お茶目なのか。大人しいのか、明るいのか。謎。もちろん、誰しも持ち合わせている二面性なのだろうが、小桃の場合は内面からの雰囲気が、そのギャップが、極端と言うか。可愛らしい、あどけない、柔らかい感じなのに時折、すごく綺麗だったりとか。気になり始めたのは、もうずいぶん前のことだ、去年とか。まあ──これが恋なんだろうなあ、と。誰にも打ち明けてないが。
 彼女は今、どうしているのだろう。あの銃撃戦に巻き込まれていやしないかと、ひやひやしたが、果帆と行動は夜にしようと話し合っていたので(勿論危険は承知だが、自分たちが合流したい面々は昼に動き回ってそうなので、行き違いを恐れたのだ)、自分勝手な行動は控えた。果帆だって同じだったはずだろう、あの銃撃戦には白百合美海(女子七番)や、乃木坂朔也たちが巻き込まれていたかも知れないのだから。


909:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:39:52.31 ID:yKB+E4So0
「ああ、やっぱり美味いや、間宮の入れたコーヒー」

 そう言って優しそうに綻ぶ空太の顔を、果帆は嬉しそうに見つめた。

「当たり前だろ、あたし、ちょっとこだわりあるんだよ。ちょっと味は濃い目だけどさ」
以下略



910:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:40:39.22 ID:yKB+E4So0
「うーん、まあ、今度でもいいけど」

 もっともその、今度、と言うのは訪れないだろうが──果帆が驚いたように振り返った。ほんのりと淡く、頬が染まっている気がするのは、気のせいだろうか。

「お前……まあ、いくらでも入れてあげるけど、その……そんなに気に入ったのかよ?」
以下略



911:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:41:12.41 ID:yKB+E4So0
「最後の瞬間、由絵のそばに勝平がいたなら、いいのにな」

 空太はその言葉に押し黙って、もう一度なんと言おうかわからなくなって、目元を拭うような仕草をする果帆をもう一度見つめ、思い切って、言葉を発した。

「勝平、探そうよ、確かよう。それに、白百合、絶対見つけよう。小日向や和歌野も、アキラたちも。俺も、夏季たちに会いたい。な、一緒に頑張ろう」
以下略



912:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:42:21.78 ID:yKB+E4So0

 *063



以下略



913:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:43:09.43 ID:yKB+E4So0
「でも嫌ってたじゃん! キモイって言ってたじゃん!」
「ああ、言ってたよ、だがそれとこれとは話が別だ! 俺は別に死んでほしいなんて思ったことねえし言ったこともねえ!」
「うそだよ、[ピーーー]って言ってたよ、影でいつも! だからヒナが殺してあげたんじゃん、高津のために殺してあげたんじゃん!」

 雛子は、もうほとんど錯乱状態であった。大粒の涙を零し、えくえくと嗚咽し、身体を激しく振り乱して、わめき散らした。雛子が人一人殺しても罪悪感を得なかったのは、そう言った背景があった。相手が[連絡無し]洋祐だったからだ。日頃、深い溝のあった両不良グループとオタクコンビ。
以下略



914:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:43:50.25 ID:yKB+E4So0
 かく言う政秀自身、腕っ節はそこまで強くなかった。そこそこの戦力ではあったが、強い奴は他にいくらでもいたし、悪い奴も上には上が、いくらでもいた。窃盗、薬、暴力団の事務所に出入りしている者、色々。
 確かに言えることは、政秀は?ワル?だったが、注目を置かれたり名を馳せたりするほどのものではなかった。中途半端だった。そして、本当に強くて悪どい奴らに、憧れを抱いてさえいた。それが、あまりその世界を知らないクラスメイトへの虚勢として、現れていた。

 雛子はそんなことは知らない。だから、雛子は今、勝手に頭の中に描き上げていた憧れの政秀と、現実とのギャップに、とんでもない裏切りにあったような、理解したいのに理解出来ないと言うようなジレンマに、苛まれていた。

以下略



915:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:46:59.32 ID:yKB+E4So0
※総合出席番号順に回すこと(四十番は一番の他己紹介を書く)
※卒業文集に掲載されることを念頭に置いて書くこと

 

以下略



916:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:49:51.83 ID:yKB+E4So0
総合出席番号九番・久瀬ゆかり
「北くんが言ってるの、よく言われるのよね。来栖くんはバスケ部で頑張ってる、とても良い人。顔立ちがきれいで可愛らしくて、女の子から見たら羨ましいな」

 

以下略



917:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:50:24.55 ID:yKB+E4So0
総合出席番号二十五番・二階堂哉多
「僕も中垣が笑ったところは見たことないよ。
 双子で他己紹介とか、変な話。
 姉様は僕の半身。俺よりも表情豊かだと思うよ」

以下略



918:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/27(水) 06:50:54.53 ID:yKB+E4So0
総合出席番号三十五番・宮嵜八千代
「水無瀬さんが言うような強い人間じゃない。弱みを見せたくないだけ。
 柳田さんは、わたしがいくら言っても聞いてくれない。
 風紀を乱す人」

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