過去ログ - 苗木「穴に落ちたら別世界?」舞園「たぶん違うと思います」
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31:カタツムリ ◆VVBcRnN7PuNW[saga]
2013/11/15(金) 23:54:13.22 ID:k5ZdhmIm0

◇◇◇

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 目の覚めた苗木がはじめに聞いた音はそんな桑田の叫び声だった。

「桑田っち!? そんなに休み時間が恋しかったべか!?」

 ちょうど休み時間になったようだ。

「ふわぁ……」

 苗木も頭を覚まして、目をこする。

「あ、起きましたね。急に眠っちゃうからびっくりしました。
 もしかしたら……保健室に連れて行った方がいいかなとも思ったんですが……」

「私が大丈夫って言ったの。パッと見て、普通の居眠りのようだったし
 朝から走ったり、気絶したりって色々あったみたいだから、疲れてるんじゃないかしら?」

 舞園と霧切が話しかけてくる。

「いや、そういうわ……」

 そういうわけじゃない……と苗木は言おうとして、もの凄い視線でこちらを見据えている桑田の気配に気づいた。
 夢を覚えているかどうかをうかがっているようだ。

「ううん。やっぱ……そうかも。夢も見なかったし。すごい熟睡してたみたいだよ」

 少し遠くの席で、桑田がホッと胸をなでおろす。
 そして、「よっしゃ! よっしゃ!」とガッツポーズを決めた。
 思わず、近くにいた何人かが心配そうに見ている。
 例えば、葉隠が「だ、大丈夫だべか? 胸でも苦しいんか?」と心配し、朝日奈が「ド、ドーナツでも食べる?」と気をつかっていた。
 だが、それでも気にせず、桑田は嬉しそうに叫んでいた。

「桑田君……どうしたんでしょう?」

「はははははは……なんか夢でも見てたんじゃない?」

「夢ね……?」

 霧切が思案深げな顔をする。
 そのため、苗木は慌てて語りだす。

「そうだ。ごめん。寝てたから何も聞いてなかったよ!
 何か重要そうなこと言ってた!?」

「えっと……ですね。さっきの時間言っていたことは……」

 舞園がひとつひとつ丁寧に教え始める。

「舞園さん……。今回は良いと思うけど、あまり甘やかさないほうがいいわよ」

「そうですね。今回だけにしておきます。うふふふ……」

 呆れたような顔をする霧切に対して、舞園ははにかんだ。

(良かった……。誤魔化せた……)

 苗木は桑田から矛先がずれたことを喜んだ。
 多少は変に思われたかもしれないが、今すぐどうこうということはないだろう。

 そして、安堵したことで、少し冷静になり……少し考えた。

(ハァ……。けどなんだったんだろう?)

 自分の身に起きた不思議な出来事に関して、苗木は少し考えたが……。

(まぁ……もうないだろうから、いっか…)

 結論が出そうになかったので、ひとまず保留した。

 もうないとは限らないというのに……。

(とりあえず、新学期頑張ろう!)




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