過去ログ - 苗木「穴に落ちたら別世界?」舞園「たぶん違うと思います」
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38:カタツムリ ◆VVBcRnN7PuNW[saga]
2013/11/19(火) 01:47:32.14 ID:A7FV3f7I0

◇◇◇


・・
・・・

「どうしてこうなった」

 苗木は状況が分からず呟いた。

 遠くには、この事態の元凶と思われる3人がいた。
 葉隠、大和田、桑田の3人だ。
 3人は他の人に介抱されたり、ちょっかいをかけられていた。

「だべ……月の光が俺に力をくれるべ…………」

「ここは屋内だよぉ……。葉隠君」

「不二咲が3人に見えるぞ、オラァ……」

「しっかりするんだ! 兄弟! それ水だ! ……それにしても情けないぞ!
 そもそも君と桑田君は未成年だろう! 誘われたから飲んだなど言い訳にもならないぞ!
 それにしても、普段から、君達は―――――――――――――――――――――――――」

「うるせぇ、うるせ、イインチョうるせぇ……アホアホアホアホアホアホ。ひっく……」

「キャハハハハハ。桑田マジおかしい……。苦しいの? そんなに苦しいの? マジ絶望! って顔してるよ!?」

「やかましぃ……。これが飲まずにいあれるかってんあ。あーほあーほ……きょういちにちをわすれんだよ!」

「盾子ちゃんダメだよ……。もう桑田君が麻酔を打たれた密偵みたいな顔してるよ……」

 自分は二十歳だから問題ない……と葉隠がまず酒を持ってきていた。
 そして、気が付いたら、それを大和田と桑田が飲んだ。
 他の人が気づいたとき、3人はべろんべろんに酔っていた。

「……………………」

 まぁ、ただそれくらいなら、3人がせいぜい二日酔いで明日死にそうになっているくらいで済んだだろう。

 問題は別にあった。

「お分かりですか……? 苗木君? 運を味方にする者は運命をも味方にするのです。
 英語のfortune……。今でこそ幸運と訳されますが、元々は運命という意味を持っていました。
 fortes fortuna adjuvat(フォルテス・フォルトゥナ・アドユゥバッド)ということわざをご存知ですか?」

「し、知らないよ……」

「このことわざの意味は、『強き者を運命の女神は助ける』という意味です。
 なぜこんなことわざが生まれたかと言いますと、基本的には戦いも博打も、勝つときは勝つし、負けるときは負けると考えられていたからです。
 古代ローマでは、自分たちが明日の戦いで生き残れるかを占うために、くじを使っていました。
 何故、こんなことをしていたのか……≪超高校級の幸運≫である苗木君なら分かりますか?」

「わ、分かりません。ごめんなさい」

「はぁ……。そんなことだから、わたくしの退屈しのぎにもならないのですわ。
 初日からあのような有様では、今学期も先が思いやられます。
 戦略があってすら、圧倒的な運の前にはひれ伏すしかないというのに……。
 運がなく、回すべき頭もない……。絶好のカモですわね」

「ごめんなさい……」

 いつの間にか、セレスまで酔っている。
 はじめはシャンパン風のノンアルコールジュースを飲んでいた。
 しかし、なぜか気が付いたら、グラスを片手に赤ワインを飲んでいたのである。
 葉隠が持ち込んだものをうっかり注いだのか、それとも故意に注いだのか、今となってはもう分からない。
 しかし、セレスが現在進行形で酔っている事だけは確かだった。 




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