過去ログ - 苗木「穴に落ちたら別世界?」舞園「たぶん違うと思います」
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カタツムリ
◆VVBcRnN7PuNW
[saga]
2013/11/22(金) 22:18:17.99 ID:zpsyARaz0
苗木はため息を吐いた。
すると、今度はそのため息を聞きつけたのか、怪しげな装束を纏った男が近づいてくる。
葉隠だった。彼はローブを被り、水晶玉を握っている。顔に変な模様の入れ墨までいていた。
占い師というより、うさんくさい呪い師という具合だ。
「どうしたんだべ? 行くべき道に迷ってんのか? それなら俺に任せるべ!」
「葉隠クン……すごい馴染んでるね」
「葉隠……? 誰だべ? それは? 俺は名もなき占い師だべ!」
「そ、そうなんだ?」
「昔は俺も名前を持ってたんだが、
『あなたの名前は気に入らない』って言われて女王陛下に名前を奪われたんだべ
だから、今では名もなき占い師だべ。なんかかっこいいから気に入ってるべ」
「へ、へぇ……」
苗木は思わず考えてしまう。
(セレスさん……。葉隠君の名前が気に入らないって何かあったのかな?
それとも、実は葉隠君を名前を呼びたくないほど……嫌いとか…………?
いや、怖いから考えないことにしよう)
苗木は考えを打ち切る。
そして、葉隠の占いについて尋ねた。
「とりあえず、お願いしようかな……。どこに行けばいいかを」
「分かったべ! 任せるべ! ………………これでノルマ達成だべ」
「今、なんか最後に怖いこと言わなかった!?」
「気のせいだべ! よし出たべ! オメーは城に向かえばいいんだべ!」
「……そうなんだ。ありがとう。……それじゃ!」
「待つべ! 逃がさんべ!」
ガシリと葉隠が苗木の腕を掴んだ。
現実離れしたものすごい力だった。
「イタッ!? 夢なのにすごい痛い!?」
「御代をよこすべ!」
「お、御代? 御代って何を……。実はこの国の通貨を持ってなくて……」
「大丈夫だべ。誰でも持ってるから心配しなくていいべ!」
「だ、誰でも持ってるって!?」
「生き血だべ! 生き血を置いてくべ! お城でイケメンヴァンパイアの皆さんがお待ちかねなんだべ!
ノルマを達成できないと、俺の首が飛ぶんだべ!」
「こわっ!?」
葉隠は巨大な注射器のようなものを取り出した。
「痛いかもしれないけど、我慢するんだべ」
「いやだよ! ちょっと、誰か助けて!?」
しかし、道行く者達は笑いながら通り過ぎるのみだ。
あらあら活きの良い若者だことお城の方々も喜ぶでしょう……といった具合に微笑ましそうに、苗木達の様子を見ていた。
「こわっ……。騙された! ここは怖い夢だ! セレスさんの夢だ!」
苗木は絶対絶命だった。
(やばい……! ここでうっかり死んだら、ボクはどうなるんだ!?)
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