過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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2013/11/23(土) 16:13:48.85 ID:Yq2Noa/q0
紫垣靖隆(男子八番)と八尋幸太郎(男子十八番)が屋上で聞いた銃声を響かせた戦闘はまだ続いていた。

ぽつぽつと点いたライトに薄っすらと照らされた木々の中、落ち葉を踏み拉く音と荒い息遣いが大きく聞こえる。
背後から襲ってくる銃声。
隣にあった木の幹に弾がめり込んだ。
その木の陰に隠れ、二度撃ち返すと、衝撃がびりびりと腕に響いた。

「クソ、忌々しい…
 馬鹿のくせに俺を撃つなんて…ッ」

酒井真澄(男子六番)は右目を隠している前髪を苛立たしげにかき上げ、汗でずれた眼鏡を指で押し上げた。
真澄はコルト・ガバメントを両手でしっかりと構え、再び引き金を引いた。
二度撃ったところで弾切れを起こし、がちんという金属音が響いた。
舌打ちをすると、木の陰に隠れ、ポケットに入れていた予備のマガジンを出し、急いでマガジンを詰め替えた。

「コソコソ隠れてんじゃねぇよ、メガネがッ!!」

襲撃者、政井威光(男子十六番)の罵声に、真澄はまたも舌打ちをした。

「ふん、そっくりそのまま返してやるよ、柔道馬鹿」

「んだとテメェ、投げ殺してやろうか、あぁっ!?」

威光はそう怒鳴ると、身を隠していた木の陰から飛び出し、大柄な威光の大きな手にすっぽりと納まる自動拳銃、USSR マカロフの引き金を引きながら真澄との距離を詰めてきた。
落ち葉を踏みしめる音に混じり、威光が身に付けたごつい装飾品がぶつかり合うじゃらじゃらと不快な音が耳に障った。
真澄はぎりっと歯を食いしばると、コルト・ガバメントの銃口を威光に向けた。
しかし、襲い掛かる銃弾の中、狙いを定めることはできない。
弾は外れ、闇へと消えた。

「ハッ、ノーコンだなぁ、クソメガネッ!!」

「不愉快極まりないけど、お互い様だろ、お馬鹿さん。
 お前の弾も、俺には1つも当たってないよ」

…とは言え、馬鹿みたいに突っ込んでくるのを正面から受けるのは利口とは言えないか…

真澄と威光との体格差は大きい。
10cm弱の身長差があるだけではなく、柔道で鍛え上げられた威光の大柄な体はそれだけで大きな武器になる。
身長では城龍慶(男子九番)には及ばないが、総合して見れば、このクラスで最も体格に恵まれているのは威光だろう。

真澄は地面に置いていた荷物を掴むと、横に跳んだ。
真澄を狙っていた威光の拳は空を切った。

「…この…ちょこまかと…ッ!!」

「そうそう…柔道馬鹿だけじゃなくて喧嘩馬鹿だったんだっけね、政井は」

「テメェ…さっきから聞いてりゃ、人のこと馬鹿にしやがって…ッ!!」

 

2人が出会ったのは、つい数分前の出来事だ。
何の因果か、周りの様子を探ろうと隠れていた場所からそっと2人が顔を出したのは、同時だった。
互いが互いの存在を認識した。

「酒井……か?」

「その声…政井だね」

互いの正体を確認した。
片やクラスを従わせるために頂点に立つ独裁者。


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