過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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2013/11/26(火) 06:42:33.88 ID:BVhJwVsq0
『それから、禁止エリアを発表するから、ちゃんとメモとりや?
今から1時間後の午前7時、E=08エリア。
午前9時、C=04エリア。
午前11時、I=01エリア…はこれ海やから関係ないか。
コンピューターがランダムで決めてるから、海だけのエリアが出ることもあんねん。
以下略
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2013/11/26(火) 06:43:29.17 ID:BVhJwVsq0
榊原賢吾(男子七番)は目の前で斃れた池ノ坊奨(男子四番)から、先程奨の首から抜いた刀から滴る血液へと視線を移した。
これで、3人目だ。
最初に殺害した川原龍輝(男子五番)もチームメイトの女の子を護ろうとしていたな、とふと思い出し、ずきりと胸が痛んだ。
「奨…くん…奨くん…奨くん、奨くん奨くん奨くん…ッ!!
以下略
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2013/11/26(火) 06:43:56.52 ID:BVhJwVsq0
賢吾や雪美と同じクラスに、上野原咲良も在籍していた。
中等部から帝東に入った賢吾には、咲良は少し――いやかなり可愛らしい子だな、という程度の認識しかなかったのだが、初等部から帝東にいた男子に日々囲まれ、教室の外からも様々な男子から声を掛けられているのを見て、相当に人気のある子なのだということがわかった(「ああ、榊原は初等部の頃のこと知らないよね。咲良サンは帝東のマドンナなんだよー、ファンクラブみたいなのもあるみたいだし?」とヘラヘラとした笑顔を浮かべて教えてくれたのは、こちらも3年連続クラスメイトになる相葉優人(男子一番)だったような気がする)。
それだけ男子から持て囃されれば女子には嫌われるのではないかと思ったが、見ている限りではそのようなこともなかった。
基本的には女子と一緒に行動しているし、本人がいない場でも悪口のようなものを聞いたことが無かった。
控えめで気取ったところが無くて、いつも穏やかな笑顔を絶やさなくて、周りへの気遣いを怠らなくて――見れば見る程完璧な子だと思った。
以下略
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2013/11/26(火) 06:44:39.99 ID:BVhJwVsq0
「えっと、あの…あたし…」
「いーじゃん、ね、せっかくだしちょっとワックとか行こうよ、ね!」
先輩の一人が咲良の腕を掴んだ。
恐らく今初めて話をしたであろう相手の腕を掴むだなんて失礼な奴だ、しかも賢吾をいないものとして話をしているのも腹が立つ。
以下略
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2013/11/26(火) 06:45:41.37 ID:BVhJwVsq0
「最初は上野原さんを殺してほしいってお願いしてたのよ。
池ノ坊くんに身体を張って女の子を護るような度胸があるなんて思わなかったわ。
ふふっ、すごいすごい」
雪美は笑顔のまま、パンパンとわざとらしい拍手をした。
以下略
987
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2013/11/26(火) 06:46:07.23 ID:BVhJwVsq0
面と向かって『殺したい程に大嫌い』と言われた咲良は呆然とした表情を浮かべ、身体と声を震わせながら訊いた。
雪美は、笑顔を崩さず、むしろ満面の笑みを浮かべて答えた。
「あらいやだわ、大嫌いなあなたにわざわざそんな理由言うわけないじゃない。
とにかくあたしはあなたに死んでほしかったのよ。
以下略
988
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2013/11/26(火) 06:46:45.52 ID:BVhJwVsq0
賢吾は目を見開いた。
瑠衣斗に振り下ろしたはずの刀に、咲良がしがみ付いていた。
教室で銃弾を受けそうになった麗を護った時と同じように、瑠衣斗を突き飛ばして刀の軌道から逸らし、自身が刀を受け止めたのだ。
刀が何かに刺さったような感触は無かった、しかし咲良の下にはぽつぽつと血液が滴り地面に染みを作っていた。
以下略
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2013/11/26(火) 06:47:47.65 ID:BVhJwVsq0
破裂音と共に放たれた弾は、瑠衣斗の足元へめり込んだ。
瑠衣斗の表情が、明らかに強張った。
「大人しくしていてちょうだい、せっかく今は殺さないでいてあげるんだから」
以下略
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2013/11/26(火) 06:48:21.81 ID:BVhJwVsq0
「なあなあ、ビスケットいる?」
「…意外と肝が据わってるよね、千世って。
でもまぁ…貰っとこうかなぁ」
以下略
991
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2013/11/26(火) 06:48:59.82 ID:BVhJwVsq0
千世が今までいつも笑顔で過ごせたのは、優しく引っ張ってくれる雪美がいて、千世と以上にのんびりしていてたまにポカをする華那がいて、優しくて思い遣りのある古都美がいたからだ。
華那がもうこの世にいないだなんて信じられない。
きっと、どこかにいる雪美や古都美も千世と同じように悲しんでいることだろう。
雪美ちゃん…古都美ちゃん…元気しとるやろうか…
以下略
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2013/11/26(火) 06:49:33.52 ID:BVhJwVsq0
仲の良い子に会いたい、話をしたい、「プログラムなんておかしいよね」って言い合いたい――それがこの状況を打開することに何一つ結び付かないのはわかっているけれど、笑顔を浮かべていられることにはきっと結び付く。
「きゃっ、あたし千世のリーダーシップに惚れる!」「そんな、葉瑠ぅ…」、そんな2人のやりとりにくつくつと笑いながら千世は立ち上がり、荷物を持った。
雪美や古都美はどこにいるだろう、2人とも木々を掻き分けて道なき道を進む姿なんて想像できないから建物の中にいたりするのだろうか、そういえば古都美は虫がとても苦手で蟻が机の上を歩いていただけでも怖がっていたっけ――
以下略
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2013/11/26(火) 06:50:24.54 ID:BVhJwVsq0
いや…今大事なのは、うちを撃ったんが誰かってことやない…
うちの、怪我の、具合や…
千世は左手で自分の腹部にそっと触れた。
一瞬で手が真っ赤に染まるほどに出血しており、それは全く止まる気配がない。
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2013/11/26(火) 06:50:56.74 ID:BVhJwVsq0
春川英隆(男子十四番)はベレッタM92Fを下ろした。
眼前では、英隆の放った銃弾を背中から浴びた荻野千世(女子三番)がアスファルトに血の池を作りながら倒れて虫の息となっており、小石川葉瑠(女子五番)が千世の名前を必死に呼び、相葉優人(男子一番)は瀕死の千世を見て震えていた。
ああ、晴れてこれで俺も人殺しになるんだね…
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995
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2013/11/26(火) 06:51:35.36 ID:BVhJwVsq0
自分の声はこんなにも虚ろなものだっただろうか、英隆自身が疑問に思う程に消え入りそうな小さな声を発した。
優人はその名の通り優しいヤツだ。
いつもヘラヘラして騒いでいるのだけれど、誰かと揉めるることが大嫌いで、揉めそうになる時にはいつも優人はそのヘラヘラとした笑いを浮かべて「無し無し、今の無し、ジョーダンだってばぁやだなぁ」とはぐらかして衝突を回避する。
揉め事を避けるためなら、やっていない罪を被る方がマシだと思っているような人種なのだ、優人は。
それなのに、そんな優人が殺人を犯した。
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2013/11/26(火) 06:52:06.63 ID:BVhJwVsq0
慟哭し過ぎて優人の声は掠れきっていたが、それでも泣き止むことはなかった。
命を奪い合うルールの下で、優人の下した決断は間違っていない、と思う。
そして、こんなにも悔やんで泣き叫ぶ優人は、泣いてプログラムに乗ることを嫌がった邑子や悩み過ぎて嘔吐した卓也と同じく、とても優しくて、優し過ぎて、プログラムには向かない人種なんだとも思う。
人を傷付けたというのに涙の一つも出てこない自分とは大違いだ。
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2013/11/26(火) 06:53:02.85 ID:BVhJwVsq0
永佳は静かな声でそう言うと、鈍色に光る自動拳銃コルト・ガバメントを両手で持ち、ゆっくりとその銃口を葉瑠と優人へと向けた。
雄大を撃った時と同じく、その表情には迷いが感じられなかった。
それを葉瑠も感じ取ったのだろう、引き攣った笑みを浮かべた。
「へぇ、様になってるねぇ…
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2013/11/26(火) 06:53:34.00 ID:BVhJwVsq0
今度こそ…今度こそ、覚悟を決めて、俺もやらなきゃ…
財前一人に任せてたらダメだ…!!
意を決し、英隆はベレッタM92Fを構えた。
それを目の端で捉えた葉瑠が、脂汗を額に滲ませながら英隆の方に顔を向け、ハッと笑い、吐き捨てるように叫んだ。
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2013/11/26(火) 06:54:03.39 ID:BVhJwVsq0
引き金を絞りかけ――顔目掛けて何かが飛んで来たため、手で顔面を庇った。
葉瑠が落ちていた石を投げ付けたのだ。
「優人、それはダメッ!!
“その2”だッ!!」
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2013/11/26(火) 06:54:34.16 ID:BVhJwVsq0
「あー…情けないなホント…永佳だって平気じゃないくせに…
彼女に無理させて護られてる彼氏って何なんだろう…」
「…卓也には手を汚してほしくない…
それが財前の望みなんだから、卓也が自分を責めることはないよ。
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男「sexしに部屋いく?」彼女(・・・いい加減働けよこのクソやろうが!!) @ 2013/11/26(火) 05:37:38.83 ID:bzFfZN430
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ほむら「鏡の中の勇者」 @ 2013/11/26(火) 03:18:17.38 ID:IW3HUpdLo
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