過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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2013/11/24(日) 06:32:48.33 ID:+b4RrGhv0
大東亜共和国首都・東京都の某所にある、古びた低層マンションの一室。
そこが、反政府組織ADGI東京支部の活動拠点の1つである。
前髪を短めに切り揃えたショートヘアの廣幡颯花(ひろはた・そうか)は、キッチンにあるコンロの前に立ち、やかんが湯の沸騰の合図を高音で知らせると同時に火を切った。
用意していたインスタントコーヒーの粉を入れたマグカップ7つそれぞれに、沸いたばかりの湯を注ぎ込むと、まずは2つを持ってキッチンを出た。
テーブルを肘置き場にして昼前の情報番組をぼーっと眺めている板垣潮(いたがき・うしお)の目の前に、マグカップを差し出した。
21歳らしからぬ童顔の潮は(颯花も人のことは言えない童顔なのだが)、テレビの世界から現実の世界へと帰ってきたようで、マグカップを両手で取った。
「サンキュー、颯花。
天気はいいらしいぜ、しばらく」
「ふぅん、ま、雨よりはいいのかもね、雨は嫌い」
「俺もそう、こけやすくなるし」
そう言うと、潮はまたテレビに目を向けたので、颯花も潮の明るい茶髪から目を離し、その斜め向かいに座っている梅田公洋(うめだ・きみひろ)の前にもう1つのマグカップを置いた。
公洋は感情のあまり感じられない瞳で颯花を一瞥すると、いつも口許まで隠しているネックウォーマーを指で下げて、コーヒーを飲んだ。
その左頬には、火傷の跡がある――颯花は詳しく聞いていないが、昔家が火災に遭った時についた傷らしい。
「あ、ねぇチョコレートあるんだけど、食べる?」
颯花の後ろから声がし、颯花は振り返った。
専用のマグカップを既に手に取っていた上月杏梨(こうづき・あんり)が、一口チョコの袋を反対の手に持っていた。
金髪のウェーブヘアーにキツめの目に咥えた煙草―― 一見近寄り難い外見をしている杏梨だが、話してみると意外とさっぱりとした性格のお姉さんだ。
「…俺はいらない」
「公洋はチョコ嫌いじゃん、アンタには聞いてないよ。
アンタには柿ピーをあげよう!」
「合わない…」
「腹に入れば一緒だって」
杏梨は一口チョコの袋をテーブルに置き、ポケットに入れていた柿ピーの小袋を公洋の前に置いた。
合わないと言っていた公洋だが、袋を開けて、ピーナッツを食べていた。
見た目も性格も正反対の公洋と杏梨だが、半年前に当時東京支部のリーダーだった渡瀬伸幸が政府によって暗殺された際には迅速に行動して、当時使っていた活動拠点から全ての証拠を消して撤退した。
そのコンビネーションはなかなかのものだ。
お互いを信頼しているようで、特に公洋は杏梨以外とはほとんど口を利かない。
「颯花、颯花っ!」
杏梨は棚からお盆を取り出し、コーヒーカップを3つ乗せて、颯花に差し出した。
そして、強気に見える笑顔を浮かべた。
「ほら、これ持って向こう行ってきな!
ついでに様子見てきてよ!」
「…やっぱりあたしですか……?」
颯花は返答を予想しながら訊いた。
杏梨は口ではなく動作で、颯花の予想通りの答えを見せた。
首を縦に振り、お盆を颯花に押し付けた。
「…杏梨、お前が行けばいいだろ、最年長なんだから」
「嫌だ、空気が凍り付いてそうだし!
ここは、颯花の最年少パワーで空気を和ませてもらうって寸法よ!」
杏梨は公洋の意見を一蹴した。
年功序列というものはないのだが、杏梨にはあまり逆らいたくない。
颯花は溜息を吐き、お盆を受け取った。
そして、会話に全く参加していなかった潮を睨んだ。
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