過去ログ - さやか「こどもたちのからあげだよ!召し上がれ!」 ほむほむ「ホビャアアアアアアアア!!」
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2013/11/18(月) 04:27:28.39 ID:SvwQ9ySq0
48 めがほむは信じる

めがほむが朝、目を覚ました時、仔白ちゃんは既に起きて弓を手にして立っていた。

ホミューホミュー いまから たいせつな ことを はなすけど ちょっと まっていてね

めがほむに優しい声で言うと、仔白ちゃんはゆっくとした、でも力強い動作を開始する。
これが昨日の夜、仔白ちゃんが話してくれた朝の日課の練習だ。

めがほむは見とれてしまった。
なんて美しい動きなのだろう。

横を向き、脚を開く。
上体を真っ直ぐに、胸を張り背中を伸ばす。
正面を見据え、矢を弓に番える。
両の拳を一度高く掲げ、広げながら降ろす。
拳の間隔が極まり、弓が大きくしなる。
そしてついに…絞られた弦が矢を撃ち出す。

めがほむは思わず、その矢の行く先を目で追った。
だが、そこはいつもと変わらないただの壁だ。
何も刺さってはいない。

そう、そもそも仔白ちゃんは矢を番えていなかった。
仔白ちゃんのあまりに優雅で剛健な体運びが、本当に矢を射っていると幻惑させたのだ。

それほどまでに心を圧倒する気迫が、仔白ちゃんから溢れていた。
今まで見てきた優しく穏やかな仔白ちゃんとはまるで違う。
自分より小柄なこどもなのに、体躯がずっと大きく見えてしまうほどに。

練習の時はいつもこんなにも変わってしまうのだろうか。

もしかしてこの後話してくれる"大切な事"が関係しているのか。
そんな気がした。

その内容はもしかして口にするのが憚られるほど重大で、それを話すために自らを叱咤しているようにも、仔白ちゃんのその姿からは感ぜられたのだ。

一連の運動を10回ほど繰り返して、仔白ちゃんの訓練は終わった。
うっすらと汗が浮いたその顔は、普段どおりの仔白ちゃんに戻っている。

そして話してくれたその内容は、ある"頼み"だった。

それはめがほむにとって至極簡単で、でもとても危険な、もしかすると命に関わるかもしれない行動らしい。

その意味については今はまだ話せないと仔白ちゃんは申し訳なさそうに言う。
それでも仔白ちゃんは自分が必ず守ってみせると力強く断言してくれた。
それでもう充分だった。

めがほむは既に決めていた。
仔白ちゃんになら全てを任せられる。
仔白ちゃんがそう言ってくれるなら、それはその通りの事なのだ。
仔白ちゃんを信じて、ついて行こう。

果たして、仔白ちゃんの計画は始動した。



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