過去ログ - さやか「こどもたちのからあげだよ!召し上がれ!」 ほむほむ「ホビャアアアアアアアア!!」
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2013/11/18(月) 04:28:04.81 ID:SvwQ9ySq0
49 仔白まどは守る

目が覚め、まずはいつも通り、朝の練習を始めた。

屋内なので矢を番えはしなかったが、間違いなく今までで最高の、会心の構えができた。
もう既に決意は固まっていた。

だからこそ、手を抜くことは出来なかった。

そうしないと今から自分が話し実行しようとしている計画に、とても耐えられそうになかったから。
迷いを打ち消し、稀少種としての使命を深く心に刻むために。

仔りぼが犯人だという証拠は何もない。
全ては自分の推測に過ぎないのだ。

昨日の朝見つかったまどまどを殺したのは姉で間違いないだろうし、動機だって分かっている。

めがほむを大切に思う今だからこそ分かったのだ。
あのまどまどは、仔りぼを好きになってしまったのだ。

好きになったら、とにかく何でもいいからお話したい。
そう思ったから、まどまどは熱心に仔りぼに話しかけていたに違いない。

でも残念なことに、姉は通常種を軽んじていた。
通常種が自らに好意を寄せることにも、嫌悪感があっただろう。

そのあまりに不運で相容れない巡り会わせが動機だ。

だけど、ただの想像と言われればそれまでだ。
ならば仔りぼを追及するには、そして姉の無実を信じる相反する気持ちを封じるためには、現場を取り押さえるしかない。

そしてその標的になるのは、きっとめがほむだ。

仔りぼは昨日の自分とめがほむとの会話を盗み聞きしていた。
どれだけ聞かれたかは分からないが、少なくともめがほむが最後に言った「事件はまだ終わっていない気がするよ」という言葉は耳にしていたはず。

もし仔りぼが犯人であり、謎のほむほむの犯行と偽装し、その死で全てを終わらせたつもりになっているのなら、そのめがほむの直感はあまりに危険だ。
きっとめがほむは、なるべく早くめがほむの口を封じようとするはず。

だからめがほむは格好の囮なのだ。
だが本人には囮であることも、仔りぼに命を狙われることも伏せた。

もちろんめがほむの態度から仔りぼに罠だと悟らせないためでもある。

しかしまだ姉の潔白を信じたい、そして稀少種に失望してほしくない。
そんな感情が、自分のわがままが、どうしてもめがほむに確信している推理を語らせなかったのだ。

だからめがほむへの頼みは、ただ誰もいない場所に向かってひとりで歩いてくれ。
それだけだった。

とても危険だけど、もちろん自分が全力で守ると伝えた。
でもその言葉をめがほむは信じてくれるだろうか。
とても不安だったけれど、めがほむは笑顔で了承してくれた。

仔白は心から感謝した。
一日中お礼を言ってもまだ足りないくらい。

でも急がなくてはならないのだ。
この計画は迅速に進めなければならない。

早速めがほむと詳細を打ち合わせる。
まずは自分とふたりで巣の中を歩く。
何も難しいことはない。
連れ立って朝の散歩をするだけだ。



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