過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part8
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◆zvY2y1UzWw
[sage saga]
2014/01/14(火) 00:58:35.09 ID:9SwiL0z50
吹き飛ばしたのは右腕が変形する黄金の鎧。さらには海の色の様なマントまで装備されている。
それは装着者がこの場にいない筈のアビスエンペラーだった。
「う、動いたじゃと!?」
「アビスエンペラーが…わ、わからないわ…」
「…そうか、あれが例のアビスエンペラーか」
兵士たちを吹っ飛ばした攻撃を回避したスカルPは驚愕するしかなかった。海皇であるヨリコ専用の戦闘外殻が、彼女がいないこの状況で動いているのだから。
うごかしている存在に心当たりがある巫女は狼狽える。呪詛がまだ不完全とはいえ、プレシオアミドラルの魂は縛っていた筈だったのだから。
アビスエンペラーの足元でやっと正気に戻った奈緒は、朦朧とした意識の中、無意識にスーツの装備からある物を取り出していた。
「…」
ピンを外し、手放すとコロコロ転がっていく。
「…あれは…!」
アイが反応すると同時に、濃い煙幕がスモークグレネードから噴き出した。
視界が奪われ、皆が思わず目を塞ぐ。
そして煙が晴れた時、そこに奈緒の姿は無かった。
「逃がしたか…!」
アイがいち早くそれに気付き、悔しそうに周囲を見渡す。
「全分隊に連絡!侵入者が逃亡した!神殿周辺に包囲網を敷くのじゃ!黒い格好の女じゃ、逃がすでないぞ!」
スカルPも通信機を取り出し、外の部隊に命令を下す。
「…侵入者を捕えるのが私の依頼内容だ。行かせてもらうよ」
アイも神殿の外へ出ていった。
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