過去ログ - 女「せっかくだしコワイ話してください」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/19(火) 00:20:49.24 ID:t8zJLwEbO


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 母が死んだ。


 ちょうど今から一年ぐらい前の話ことだ。

 うちの家は父、母、私の三人家族。
 父は大学教授で年収は相当なものだったが、だからと言って自分の家が特別他人の家より裕福だと思えたことはほとんどない。
 思い当たることがあるとすれば母が生前、パートに出ることもなく専業主婦を続けられたことぐらいか。

 母が死んだ日、私は仕事が休みで家でダラダラとしていた。
 仕事で身をを擦り減らす毎日は私の休日を堕落したものにしていた。
 父は学会がどうとか言って、出かけていたはずだが、よく覚えていない。

 その日の昼食を食べ終えたあたりで固定電話に着信が入った。
 家には誰もいなかったので仕方なく私は出た。
 もしもし、と低い男の声が電話越しに私の鼓膜を叩く。



『――のお宅でよろしいですか?』



 はい、と答える。『落ち着いて聞いてください』という前置き。
 受話器を持っていた左の掌はなぜか汗ばんでいた。




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