過去ログ - 比企谷八幡「だれかが風の中で」
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24: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:41:24.50 ID:/SL6zkYoo
至極一般的なざるうどんである。特筆すべき点などない。
だがだからこそ、不変的な価値があるように思えて八幡には好ましく感じられる。

食事に取り掛かる前に、手を合わせ、いただきます、と呟いて割り箸を割く。
まずはつゆにきざみねぎとわさび、うずらの卵をいれ、ゆっくりとかきまぜる。
以下略



25: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:42:17.55 ID:/SL6zkYoo
静かに啜れば、口いっぱいにまろやかな甘さとすこしの辛さが広がる。
汁気に負けないほど濃く主張する旨みの刺激が、舌を悦ばせる。
一口分を口に含み、ゆっくりと噛む。弾力のある麺は噛めば噛むほど口中で躍動し、つゆと共に多幸感をもたらす。
時折つん、と鼻を刺激するわさびの感触に、きざみねぎの食感、うずらのぬめりとした舌触りが味に彩りを加える。
満足いくまで顎を働かせれば、なめらかに喉を通り胃へと流れていく。
以下略



26: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:43:35.77 ID:/SL6zkYoo
結局うどんはあっという間に平らげた。
代金を支払い、店を出る。
適当に見繕った店がいわゆる当たりだと確信したときの高揚は、味覚に補正を与えてくれる。
明日の昼もまた寄ってみてもいいかもしれなかったが、やはりそこは旅の路、偶然を頼りに新たな発見にかけてみたくなるのが八幡の性であった。

以下略



27: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:45:10.95 ID:/SL6zkYoo
すこし歩くと、道は小川を外れだした。
小さな小道が小川に沿って敷かれているが、その先には明らかな民家が立ち並んでいる。

みだりに観光地の外、特に住宅地や居住区に足を踏み入れることはしない。
八幡の旅における数少ないルールのひとつだ。
以下略



28: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:46:08.32 ID:/SL6zkYoo
この道を抜けた先に温泉があるようで、遠く湯気が立っているのが見えた。
この街で一番有名だという温泉だろう。道の左右にも銭湯が点在しており、いよいよ温泉街といった心地を覚えて、八幡は笑みを浮かべた。

全部で10近くあるという温泉を全て廻るなど思っていないのだが、せめて2つ3つくらいは廻れるように動きたい。
そうと決まれば、一旦宿に戻ろう。
以下略



29: ◆gIYX1xRWqRqj[sage]
2013/11/22(金) 17:48:51.55 ID:/SL6zkYoo
さしあたりここまでです。
続きは翌日にでも投下したいと思っております。
ありがとうございました。


30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 17:51:12.71 ID:XXKB/7GCo
一人旅なら会話文は出てこないよな
新鮮な感じな文章


31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 17:56:51.25 ID:cdhogkXLo
乙乙

木枯らし紋次郎?


32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/11/22(金) 20:28:46.50 ID:696I/mA60



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 21:06:34.96 ID:YjoWuPIfo

なんか文学小説を読んでるみたいだ


34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 21:39:07.89 ID:GcsyUhk30
おいおい上条恒彦か


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