153: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/05/16(金) 23:35:07.71 ID:c9dERRDL0
こうしてドタバタの内に始まったシンクロテストだったが、意外とごく落ち着いた感じで進められ、そしてごく普通に終わった。リツコは納得した様に一つうなずき、全員にテストの終わりを告げた。
「みんな、御苦労様。特にシンジ君。あなたが今回もナンバーワンよ。よくやっているわ」
言葉の内容とは裏腹に、リツコの口調はかなり事務的なものだった。これを言っておかないと初号機が暴走するかもしれないので、仕方なく言っているだけの事である。
前述した通り、初号機はシンジより高いシンクロ率を許さない。
一度だけカヲルがシンクロ率100%を出した事があったが、その時にはシンジのシンクロ率は150%を記録し、危うくエヴァに取り込まれかけた。
その為、カヲルはリツコからひどく叱られる事となった。
「どうしてこんなに高いシンクロ率を出すの! 有り得ないわ! 空気を読みなさい!!」
これほど理不尽な怒られ方も珍しかっただろうが、カヲルはそれについて特に文句を言う訳でもなく、謝罪の言葉と共に深々と頭を下げた。
カヲル自身もシンジを危険な目にあわせかけたと反省していたからである。
カヲルからシンジへの愛は誰よりも深く重いが、その事をシンジは知らない。
「……シンジ君、今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」
エントリープラグの中で、カヲルは一人そっと呟く。
その姿は淋しげであったが、少し幸せそうでもあった。
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