50: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2013/12/01(日) 11:09:54.41 ID:d2qiH6t20
「歌はいいねえ、歌は。リリンの生み出した文化の極みだよ」
「君もそう思わないかい? 相田ケンスケ君」
山中に張られたテントの中、二人は寝転びながら色々な事を語った。
今日のサバゲーの内容について、明日の作戦について、夢について、進路について、エヴァについて、将来の事について、使徒について、そして本当の愛の事について…………。
「君はさ、まだ本当の愛を知らないんだよ、ケンスケ君」
「本当の愛って……?」
「痛みを伴わない愛は愛じゃない……。そういう事さ」
ランプの淡い光の中、カヲルはじっとケンスケを見つめていた。
ケンスケは自分の顔が赤くなっていくのを自覚した。
「君は正直だね。可愛いよ」
カヲルは優しく微笑んだ。
「……知りたくないかい、ケンスケ君。本当の愛について」
「僕は…………」
「アッー!!」
夜の静寂を破って、ケンスケの悲鳴が轟いた。
鈴虫がメロディーを奏で、フクロウは唄い、兎は踊った。
熊の子はじっと見ていた。
お尻を出した子をじっと見ていた。
一等賞はケンスケのものだった。
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