92: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/04(火) 18:19:17.02 ID:pV7V1bap0
とにもかくにもそういった事情によりネルフにも顔を出し辛くなったゲンドウは、安息の地を求めてさ迷う仔羊の如く、色々な所を歩き回った末にこの山へとたどり着いた。
きらきらと美しい輝きを放つ湖畔の静けさと、たまに聞こえてくる鳥たちの歌声とが彼の心に安らぎを与えたのだ。
しかし、幾分か心の傷が癒されたところで、水面に映る自分はパジャマ姿であり、おいてけぼりにされたという事実に一切変わりはない。
結局、私はいらない人間だったのだ、とゲンドウは話の最後を寂しそうに締めくくった。
ケンスケは深く同情し、また慰めた。
「ゲンドウさんを必要としている人はきっといます。だからそんな寂しい事を言わないで下さい」
「そうか……」
ゲンドウは相変わらず無表情だったが、ケンスケには少しだけ微笑んだ様に見えた。
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