7: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/22(金) 23:20:48.92 ID:mRLWtmhc0
−−東京、中央線沿線
露伴「……『BAR 魔の巣』。『お客様』が喪黒福造と出会う場所はマチマチだ……特定の場所でなければ出会えない、と言う事はない。しかし出会った後は、必ずそのバーへと辿り着いている」
8: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/22(金) 23:27:00.81 ID:mRLWtmhc0
喪黒「駅へ行かれるつもりならそちらではありませんよ。宜しければご案内致しま――」
露伴「ヘブンズドアーッッ! 本になれ、喪黒福造ッッッ!!」
露伴「よしッ! 本にしてしまえばどうって言う事はない……正体を見せてもらうぞ、喪黒福造……」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 23:34:01.23 ID:wJ3y87b30
岸辺露伴は動かないに影響されたなァ?
どんどん書いてください
10: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/22(金) 23:35:33.45 ID:mRLWtmhc0
露伴「ああ……知ってるぞ。お前の名前は喪黒福造……人呼んで笑ゥせぇるすまん、ただのセールスマンじゃないんだろ……」
喪黒「ホッホッホ、そう言う貴方は漫画家の岸辺露伴先生ですね」
露伴「笑ゥせぇるすまんに名前を知られているとは、ゾッとしないな……」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 23:37:32.88 ID:MPn5kiT5o
ぼへみあんらぷそでーっすか
12: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/22(金) 23:41:35.47 ID:mRLWtmhc0
喪黒「まったくこんな奇想天外、摩訶不思議なコミックがよく描けるもんだなあ! と読む度に感心しております。そしてつくづく<60年前手塚先生によって開拓された日本のコミックが今、すごく進化しているのだ!>と感動しているのですよ」
露伴「は、はは……それは有難いな。正直な話をすれば、僕にも心の隙間はある。若い時から変わらずにね。だが、そんな嬉しいセリフを言ってくれれば簡単に埋まる程度の隙間だ。……まさかとは思うが、これであんたとの契約が結ばれたりするなら、とんだ押し売りをされることになるな」
喪黒「ホッホッホ、岸辺先生に私の仕事を良く知って頂いている様で光栄です。せっかく私を訪ねて頂いたのですから、行き付けのバーで一杯やりませんか。大ファンの先生と向き合ってお酒を頂ける機会なんて、そう滅多にあるものじゃありません」
13: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/22(金) 23:48:55.44 ID:mRLWtmhc0
露伴「あんたの行動パターンは、全く以って古典的な悪魔の取引だ。上手に人間の弱みに付け込んで、そいつの欲するものを与えた後で何もかも奪い取る……」
喪黒「いえいえ、私はそんな上等なものじゃあありません。困っている人を放っておけない、言わば親切の押し売りと言った所です」
露伴「そうかい? ヘブライ語の【破壊する(mephir)】と【嘘をつく(tophel)】って分詞を合成して出来上がる有名な悪魔がいるんだ。ファウストで有名なメフィストフェレスがそれだ」
14: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/22(金) 23:54:34.40 ID:mRLWtmhc0
喪黒「ほほう、それは興味深い」
露伴「イスラム教では、サタンを“シャイターン”と呼ぶ。そのシャイターンには役割があるんだそうだ。人間を惑わし堕落させ、堕落した姿を神に見せ付けるらしい。『人間とはこの様に愚かで、神に救われる価値の無い存在だ』と証明する為に。あんたの仕事を見ていて、そんな連想が浮かんだよ」
露伴「あんたの正体をどうしても知りたいワケでもないし、あんたが悪魔かそうでないかも、今となってはどうでもいい。噂の笑ゥせぇるすまんが実在して、今から取材できるんだからどんな質問をすればいいかと言う事で頭が一杯だ」
15: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/23(土) 00:01:22.53 ID:5sZkNMrS0
喪黒「ホッホッホ、正直なのは美徳ですなあ。ですが岸辺先生、先程も言いましたがあなたにお売りする商品を私は持ち合わせておりません。あなたには『ココロノスキマ』がないどころか、一度や二度破滅したところで破滅を嬉々として味わい尽くしてから再び立ち上がるのは、火を見るより明らかです」
喪黒「物語にはそれぞれ相応しい登場人物が必要です。この喪黒福造の物語には、何の変哲も無い小市民がうまい話に引っかかり、本来は歩むはずの無かった人生を歩む事になる。その行程を描く物語だと言ってもいいでしょう」
喪黒「私の言葉や商品で揺らぎ、私の物語に出演する人生を貴方は持ち合わせていない。正にそう――」
16: ◆4Yhl5ydrxE
2013/11/23(土) 00:08:01.88 ID:5sZkNMrS0
一週間後、再び杜王町カフェ『ドゥ・マゴ』
編集者「いいえ岸辺先生ッ、これでは読者への掴みが弱い! 最初の2ページで漫画を書く前の準備運動その2をやるべきですッ!」
露伴「あれは一発ギャグみたいなモンだぞ!? それをまたやるって君、読者がどう思うと思ってるんだ、いくらたまの読み切りだからって僕がいつもやってる準備運動なんか読んで何が面白いんだ! 僕だったらその2ページでジャンプをブン投げるねッ!」
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