過去ログ - 【魔法少女まどか☆マギカ】 神の子の物語
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[saga]
2013/11/28(木) 23:00:59.47 ID:XGcLYe//0
「まどかが自己紹介したときと、リボンの色が変わってるとおもった。すぐにあんたのリボンだと気づいた。
あんたは、円環の理の一部を、もぎ取ったんだ!」
髪にリボンがない、カチューシャだけをつけたほむらが、微笑む。
すーっと、爪ののびた指先がほむらの口元へ。
「そうね。だから、ずーっとまどかは、私の一部…」
恍惚に表情が染まる。唇に指をあてて、舌を、指にあてる。大切そうに。
そしてさやかを、勝ち誇った顔をして見た。「あなたには、わたさないわよ」
ちら、という視線。
さやかは心底、目前の悪魔を嫌悪した。
肩の震えるおもいだ。
「その体にもまどかの一部が?」
「そうね。私の中にはまどかがある。あのまどかは、まどかの一部だけど、私の一部でもある。
なんたって、一緒になったんだもの…」
ほむらの目がすうっと薄まる。幸せそうな顔だ。
「あのときにね…」
「くううう…!」
さやかが歯を噛み締める。悔しそうに。
ベンチからみを乗り出しそうになる。しかし、下手に動けば、記憶は瞬く間に抹消される。
この悪魔の慈悲で生かされているのだ。美樹さやかは。
「この悪魔っ…!」
ほむらが言った、あのときとは、円環の理を捕まえたとき。
ほむらは救済を拒んだ。
なぜ拒んだか。
ほむらには欲望があったからだ。
改変される前の改変される前、鹿目まどかは暁美ほむらの最後に残った道しるべだった。
その道しるべは、円環の理がほむらの前に現れたとき、確かに現れた。概念の世界より現れた。
しかし、その道しるべは、あくまでほむらの希望が救済の道に入るための道であって、ほむらの心に
芽生えた新しい欲望にはそぐわない道だった。
芽生えた新しい欲望は何か。
愛。
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