過去ログ - オール安価でまどか☆マギカ 7
1- 20
1000:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/17(木) 13:31:41.25 ID:W6RpX5zN0
立ち上がって逃げ出そうとした茉沙美の体を、かりんは必死に抱き止めた。
こんな状況では仕方のないことだけど、胸が痛んだ。
クラスメイトを疑ってしまう茉沙美の思いが、心を抉る。

「落ち着け、まぁ子!!
 相打ちなんて決まってるわけじゃないだろ!!
 むしろ誰かに襲われたって方が自然な考え――」

言葉が詰まった。
自分だって、クラスメイトを疑っている。
全体的に仲の良かったこのクラスのメンバーを、人殺しではないかと疑っている。

嫌だ…なんか…こんなの嫌だ…っ!!

「ちくしょうっっ!!」

地面に拳を叩きつけて叫んだのは、先程まで呆然としていた信祐だった。
一同は驚いて信祐を見た。

「多田っちもモッチーも、なんも悪くないじゃん!!
 何で死ななきゃいけねぇんだよっ!!」

「それは…朱里だって一緒だよね…
 もちろん、桃ちゃんだって…
 まだ…15歳で…たった15年しか生きてなくて…っ」

雪彰が俯く。
膝の上に置かれた拳が、小さく震えていた。

朱里の名前を出され、かりんの脳裏にはまた朱里の最期が蘇る。
何度も拭った涙が、また溢れ出した。

「朱里…もうすぐ姉ちゃんになるって…喜んでて…
 親が殺されたかもで…怒るの…当然じゃん…!!」

『朱里ね、もうすぐお姉ちゃんになるんだ!』

そう、朱里は言っていた。
とても目が輝いていて、心の底から嬉しそうだった。
男の子と女の子の双子が良い、と贅沢を言っていた。
親は大変だろうけど、朱里は面倒見の良いお姉ちゃんになるだろうな、かりんはぼんやりと考えていた。

それなのに。

こんなものに選ばれなければ、朱里は死ななかった。
家族を傷つけられる事もなく、幸せな日々を送っていただろう。
きっと、かりんとは普通に幼馴染で、だけど恋のライバルで、バレンタインデーとかには正々堂々と勝負して。

こんなものに選ばれなければ、かりんは信祐への想いを封じなければならないこともなかった。
悲しい思いも悔しい思いもすることはなかった。
クラスメイトを疑ってしまう不甲斐なさを感じることもなかった。

こんなの、おかしすぎる…っ!!

「止めるぞ、こんなのっ!!」

叫んだのは信祐だった。
立ち上がり、拳をきつく握り締める。

「こんなとこで、俺たちは死んじゃだめだ!!
 逃げるぞ、こんなの、やってられるかよ!!」

「そだね…プログラムなんて…おかしすぎるよね…」

最初に同調したのは雪彰だった。
かりんも、思いは同じだった。
信祐の方を見、大きく頷く。
茉沙美も戸惑っていたようだったが、何度か小さく頷いた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/450.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice