過去ログ - オール安価でまどか☆マギカ 7
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999:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/17(木) 13:31:16.14 ID:W6RpX5zN0
スピーカーを通した、マイクのスイッチを入れる音が聞こえた。
学内のあちこちに設置されたスピーカーから放送が流れるのだろう。

『あーあー、マイクテスト』

これは聞き覚えがある、担当教官だと言っていた遠藤勇の声だ。
ありきたりの言葉の後、咳払いを1つし、放送を始めた。

『諸君、元気に戦っているかな?
 それでは、予告通り放送の時間だ。
 戦死者と禁止エリアを発表する。
 各自、名簿と地図と筆記用具を出せ』

言う事を聞くのは少し癪だが、かりんたちはそれぞれ名簿と地図とペンを出した。
かりんは少し躊躇ったが、朱里の名前の横の出席番号に、小さく赤線を引いた。

『まずは戦死者だ。
 死んだ時間順に発表していく。
 午前1時41分、女子18番・水上朱里は知っての通りだ。
 午前3時50分、男子16番・持留奏太。
 午前3時51分、男子11番・多田尚明。
 午前5時17分、女子19番・薮内桃子、以上だ。
 まぁ、良い進行速度だろう』

「多田っちと…モッチー…?」

信祐が呆然と呟いた。
かりんを含めた3人も、それぞれ驚愕の表情を浮かべる。

確か、尚明と奏太は幼馴染のはずだ。
かりんたちは尚明とは親しかった。
とても頼りがいのある、兄のような人だった。
そして、その幼馴染の奏太。
少し我侭なように思えたが、尚明にはとてもなついていた。

その2人が、1分という僅かな差で続けて命を消している。
何故――

『続いて禁止エリアだ。
 午前7時からE=05、経済学部棟と講堂の間だ。
 午前9時からC=01、食堂棟の西側だ。
 午前11時からC=09、法学部棟の北側だ』

かりんたちは地図の上に走り書きをする。
しかし、信祐は書いていないようだった。
かりんが目を遣ると、呆然と名簿を見つめていた。

信祐…?

『以上で放送を終わる。
 やはり優勝を目指す者は出ているな、結構な事だ。
 諸君らの健闘を祈る』

最初と同じような音がして、放送は切れた。
しばし沈黙の時間が流れる。

「1分差…」

茉沙美の怯えた呟きが、沈黙を破った。
かりんが目を遣ると、茉沙美は自分の髪をぐしゃっと掴み、涙目になって体を震わせていた。

「幼馴染のくせに…っ 相打ちよ、相打ちだったのよ!! こんなの、誰も信用できない!!」


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