983:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/17(木) 13:09:54.79 ID:W6RpX5zN0
「なぁ凛。今日は映画行くって言ってなかったっけ?」
ちょっと怒った感じの涼太の声が日曜の午後、気持ちのいい風が通る涼太の部屋に響く。
今日は久しぶりに涼太の部活が休みの日で、涼太が前から見たがってた映画を見る約束だった。
名前は忘れちゃった。でも涼太が好きそうな、FS物だった気がする。
昨日の夜も電話でいっぱいいっぱい、今日の映画のことしゃべった。
外でデートなんかホントに久しぶりだったから楽しみでしょうがなくて。
着てく服だって、今日の髪型だって、ガラにもなく真剣に考えたのに。
なのに。
風邪を引いてしまった。
朝、熱を測ったら37度5分。
たいした熱じゃなかったけど、朝からだるくてしょうがない。とてもじゃないけど映画なんかムリ。
熱でふらふらするのをこらえてなんとか涼太のうちまで来たんだけど。
涼太はさっきからあの調子で超フキゲン。
まぁしょうがないよね?めっちゃ楽しみにしてたしさ。
でもごめんね。今日はホントにだめみたい。
それでも元気だけが取り得。
元気なフリは得意なんだから!!
「えーっと、気が変わった、から。」
精一杯の笑顔で答える。
涼太にばれたくなくてウソ、ついた。
だって、涼太はわたしが風邪引いてるって知ったら絶対うちに帰すから。「ホントに?」涼太がわたしの顔を覗き込んで聞く。「うん。ごめんねー!!だから今日は涼太んちでまったりしよーよ?」そう言いながらも、頭はズキズキ。体はふらふら。あはは。そーとーヤバイぞ。これは。ウソをついてることがなんとなく後ろめたくて、くまのぬいぐるみを抱きしめた。
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