過去ログ - オール安価でまどか☆マギカ 7
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986:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/17(木) 13:17:44.11 ID:W6RpX5zN0
あたしの恋人は、とてもすごい人。
とっても頭が良くて。
運動だって人並み以上。
誰からも信頼されるような人格の持ち主。
おまけに容姿も良い方だ。
50年以上続く春日宮中学校の歴史の中で、最も優れた生徒会長。
…と周りから言われている人。

 

 

高井愛美(女子13番)は小さく溜息を吐き、前を歩く恋人――常陸音哉(男子14番)の背中を見つめた。
体格的には恵まれているとは言えない(だってあたしと3cmしか身長差がないもの)その背中は、決して広くもなければ頼りになると思えるものでもない。
音哉が頼りになるのは、人並みはずれた、それでいて機転の効く柔軟な頭脳を持っているからだ、と思う。

愛美は聡明な少女だ。
それでいて所属する陸上部では中距離部門で県大会は当たり前、体育でも何をやらせても部活のエース級にそつなくこなす運動能力も持っている。
細身で長身というスタイルと、自分の能力を鼻にかけないさっぱりとした性格から、後輩にも慕われている。

 

そんな愛美が初めて音哉と出会ったのは、中学から通い始めた明進塾の教室だった。
ドキドキしながら入った教室。
そこで、席が前後になった。
授業が始まってプリントが配られた時、一瞬だけ、音哉が後ろを向いた。

整った顔立ち、優しそうな笑み――
一目惚れだった。

「あぁ、音哉くん?
 このクラスで1番頭がいい人みたい。
 私立中学は受験しなかったみたいだけど」

小学校から音哉と一緒の学校だったという玖珂喬子(女子9番)にも、ここで初めて出会った。
今のようにほんわかと微笑む子ではなく、いつも思いつめているように暗い子だった事が思い出される。

とにかく、それ以来、愛美はずっと音哉を見ていた。
先生受けも抜群に良いらしく、よく「皆が常陸のような子なら、我々教師も楽なんだがね」という言葉を聞いた。
同志を10人近く集めて、今まで存在しなかったパソコン部を立ち上げ、1年生で部長に就任した。
2年生になり、生徒会長の立候補受付期間が始まった時、大部分の人が、音哉が生徒会長になるに違いないと確信していた程に、学年内からも信頼が厚かった。

そんな音哉に勇気を持って告白したのは、2年生の秋だった。

「嬉しいな、じゃあよろしくね」

音哉はそう返事をし、手を差し伸べてくれた。
恥ずかしさと嬉しさに、顔が熱くなったことを自覚した。

それ以来、一緒に勉強をしたり、わからないところは聞き合ったり(ほとんど愛美が一方的に聞いていたが)、お互いを高めあった。
周りからも羨ましがられる、自慢の彼氏だ。



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