過去ログ - オール安価でまどか☆マギカ 7
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987:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/17(木) 13:18:16.79 ID:W6RpX5zN0
「…愛美ちゃん?
 さっきからすごい考え事してるみたいだけど…大丈夫?」

音哉に声を掛けられ、愛美は顔を上げた。
とても心配そうな顔で、こちらを見ている。
愛美は首を横に振った。

「大丈夫、心配しないで」

「そう?
 …でも心配だから…どこか建物で休もうか?
 もう少し、頑張れるかな?」

「…うん」

よかった、と音哉は微笑み、再び前を向いた。

その後姿を見ながら、思う。
音哉は、一体何を考えているのだろうか、と。

 

違和感を感じたのは、付き合い始めて少し経った頃。
音哉の制服に、僅かに煙草の匂いが染み付いていた。
1日だけではなく、ほぼ毎日。
そして、ほぼ毎日の昼休み、いつもは一緒にいる愛美や伊賀紗和子(女子3番)や四方健太郎(男子19番)といった明進塾で知り合った友達とは一緒におらず、どこかに行っていた。
それが不良の溜まり場となっている屋上に行っていたとわかったのは、3年生になってからだった。

音哉が不良グループの面々、特に須藤大和(男子7番)と親しい事も、付き合い始めてから知った事だった。
改心して真面目になろうと思ったのだろうと考えたが、やはり、自分たちと一緒にいるよりも、不良グループと一緒にいる方が楽しそうに見えた。
楽しそうであり、自然体であった。

徐々に、疑問が膨れ上がった。

――音哉くんは、あたしの事を、本当に好きなの…?

自信がなかった。
喬子や野原惇子(女子16番)といった不良グループの面々と一緒にいる方が楽しそうに見える、などの理由があるが、最も大きな不安の理由はわかっている。
音哉は気付いているのかいないのか――おそらく気付いていると思うが――、一度たりとも言われた事がなかった。

『好き』

この、一言を。

もしかしたら、利用されているのかもしれない。
昔から優等生と言われ続けている愛美と一緒にいる事で、教師たちの目を欺こうとしているのかもしれない。
確証はないけれど。

そう思ってしまうと、駄目だった。
言葉も、表情も、優しさも、全てが虚構としか思えなかった。


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