過去ログ - オール安価でまどか☆マギカ 7
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988:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/17(木) 13:20:26.15 ID:W6RpX5zN0
それでも、嫌いになれない自分がいた。

 

そして、今も。
どうして一緒にいるのかわからない。
この状況で、いつもと変わらず笑顔を浮かべ続けられる理由がわからない。

何を考えているの?

このプログラムに乗る気なのだろうか?
もしかして、自分は利用される?
音哉が生き残る為に。

 

様々な思考を巡らせているうちに、E=06エリアの講堂に着いた。
正面の入り口から入ると、正面には椅子と机が並び、左右には階段がある。
2人は階段を上がった。
講堂の2階席に続いていた。

「少し休憩しようか、ね?」

音哉が微笑んだ。
とても疑わしい笑みだ、そう感じた。

愛美は座らなかった。
音哉を見つめた。
その優しげで、整った顔を。

「…愛美ちゃん?」

不思議に思った音哉が首を傾げた。
愛美は拳をきつく握り締め、口を開いた。

「あたし、あなたを信用できない」

「…何でかな?」

少しも驚いた様子を見せず、音哉は訊いた。
あまりに変わらないその様子に、愛美は少し怯んだ。
しかし、もう、後には退けない。

「…あたしの目は、節穴じゃない。
 着飾ったあなたの虚構に気付かないほど、愚かでもない」

「何を言っているのか理解できないよ、愛美ちゃん。
 俺は俺なんだけど…?」

少し、困った表情を見せた。
この表情に愛美は弱い。
少し躊躇ったが、それでも言った。

「言ったでしょ、あたしは愚かじゃない。 あたしはもう騙されない。 お願いだから、本性を見せて」音哉は数回瞬きをし――笑みを変えた。
今まで愛美に見せた事がないような刺すような視線と、不敵な笑み。くすくすと小さく笑い声を立てた。愛美は突然の変化に驚き、数歩下がり、壁にぶつかった。「へぇ、さすがだな。 てっきり気付いてないと思ってたんだけど… やっぱ利口だな、愛美」いつもは“愛美ちゃん”と呼ばれていた。しかし、突然“愛美”と呼ばれても、違和感は感じなかった。むしろこの方がしっくりくる。「あなたに利口って言ってもらえて嬉しいわ。 そっちの口調の方が似合ってる、って言ったら怒る?」「別に、てかあっちの口調の方が怖くないと思ってたんだけどな」「そんな事ない、変に無理してる方が違和感あって気持ち悪いもの」腹の探り合い。もう弱みは見せない。強気な態度で臨む。これ以上怯んだら負けだ。「で、音哉くん。 まさか、あなたはあたしを…[ピーーー]気?」音哉は目をぱちくりさせ、声を上げて笑った。「ハッ、お前何、そんな事考えてたの? ルール聞いてた? 優勝者は男女1人ずつだぜ、俺がお前殺したって何の得もないだろ。 俺、自分にとって得になる事しかしねぇから」愛美は真っ直ぐ音哉を見つめ続け、言った。「それって…男の子相手なら得するから[ピーーー]…って事?」「そりゃ、襲われてまで不戦を唱えるほど優しくないぜ、俺。 でも、自分から襲うってのはお断りだ。 そこまで堕ちちゃいねぇよ」音哉は既に分かれている前髪をかき上げながら、愛美に近づいてきた。壁にもたれるように立っている愛美の顔の右横に、トンッと手を置く。


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