13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/01(日) 19:40:44.85 ID:j4MC2eqco
「ぁ、あの」
そんなだから、私に声を掛けてくる奇特な存在なんて、ほとんど皆無に等しい。
ごくごく稀に、ごくごく限られた何人かの物好きが、それを試みるくらい。
聞こえなかった振りをして、通り過ぎてしまうこともある。
ただ、この声の持ち主にだけは、それはできなかった。
「ほむ……ら、ちゃん」
それが誰のものかなど、頭に介する必要はない。
いつ聞いても、その声は私の心を鷲掴みにして、思考を無理やりに止めさせるのだから。
心臓が大きく一度揺れる。
呼吸も止まって全身から汗が噴き出す。
見えないように背中で隠して、心臓のあるところを鷲掴みにした。
震えがおさまったことを確認し、表情を整えて、振り返る。
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