過去ログ - ほむら「想いの結晶」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/01(日) 19:47:19.29 ID:j4MC2eqco


「お勤め御苦労様。目に見える範囲に魔獣はいないから、お昼休みが終わる前に戻りなさい」


わざわざ関わりを持つ必要なんてないだろう。
言って、私は彼女の視界から消える。
鉄塔の上から、地面に向かって、さかさまに落ちて行く。
驚いた風な気配を感じたけれど、私の言葉の意味が分かるなら、無理に追って来ると言うこともないだろう。

落ちて行く世界はもう安定していた。
これからのことを思うと、楽観出来たものではないけれど、どうしたものか。
風を切りながら、身体をひねって見滝原中の屋上へと目をやる。
彼女たちはまだ談笑に興じている。


「…………!?」


はずの、一人。
偶然か必然か、彼女だけが、不意に首をこちらに向けた。
これだけの距離があって、尚も私のことを確認できる視力は、褒めてあげるべきか。

その邂逅は一瞬。
座ったまま顔を引き攣らせる彼女と、逆しまに落ちて行きながら笑う私。
つくづく、因果なものだと、思う。
声を上げて全員に気付かせることもなく、固まっていてくれて、ありがとう。
そんな気持ちを素直に、笑いに込めた。

さて、何食わぬ顔で午後の授業に出てやろう。
彼女はどんな顔をして私に接するのだろう。
暗い楽しみが出来たことを自覚しながら、私は地面に向かって加速する。



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