32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/01(日) 19:54:26.94 ID:j4MC2eqco
絞り出された言葉に感じられるのは、戸惑いと怒り。
握られた腕に力が込められるのを感じ、それをあえて振り解かずに顔を見下ろす。
視線に、不思議と敵意は感じられない。
いや、それを押し殺そうとしているような感じ。
理解できないものを理解しようとすることに意味はあるのか。
私のしてきたことなど、誰に分かるはずもないと言うのに。
「知りたい?」
意地悪な問い掛けに、彼女は沈黙と睨み付ける視線で返した。
今すぐにでもその命を手折られてもおかしくないのに、随分と気丈なことだ。
でも、いつだって、あなたはそうだったわね。
「人間の好奇心って、残酷なものよね」
「知らなくていいことも、知ろうとせずにはいられない。いつだってその先には後悔しかないのに」
「記憶って厄介よ。一度思い出してしまえば、囚われて、動けなくなる」
「今の満ち足りたあなたに、それを背負う覚悟はある?」
220Res/113.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。