11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:14:55.47 ID:bV1zFA7X0
「何してるの?」
縁側でタバコを吸ってると、いつの間にか由井ちゃんが近くにいた。
「不法侵入だぞ」
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2013/12/06(金) 01:15:43.52 ID:bV1zFA7X0
「で、何してるの」
由井ちゃんは、顔を近付けて尋ねてくる。
その勢いに押されながら答えた。
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2013/12/06(金) 01:16:25.84 ID:bV1zFA7X0
「こっちの空は大きいな」
「どこでも一緒でしょ?」
「いや、東京の空は狭いよ」
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2013/12/06(金) 01:16:59.64 ID:bV1zFA7X0
「んー、どんなとこってなぁ。人が多くて」
「じゃ、じゃあ、可愛い子とかもいっぱいいるの?」
「なに、女の子好きなの?」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:18:02.87 ID:bV1zFA7X0
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夜は久しぶりに、母さんの手料理を食べた。手料理自体が久しぶりだったから、とても上手く感じた。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:18:40.21 ID:bV1zFA7X0
これはまずかったと思い、母さんの顔を伺った。
母さんは悲しそうな顔で俺を見つめる。
「…ごめんって」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:19:16.74 ID:bV1zFA7X0
「父さんはねワザとあんたに厳しくしたんよ、あんが自分と似ているから。下手に優しくされるよりも否定された方が反発して頑張れるタイプだと分かってたから」
母の突然の告白に戸惑う。
本当なのだろうか、それとも最後に父親と顔を会わさせる為の嘘なのだろうか。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:19:46.96 ID:bV1zFA7X0
庭で大きな木を眺めていた。
ぼーっと、何も考えずに眺めていた。
この木はあいつが植えたものだ。
小さな俺があいつにお願いしたのだ。今考えると、とても下らない理由で欲しがったものだ。
忍者になろうとして、木を植えてくれと頼んだのだ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:20:18.98 ID:bV1zFA7X0
俺は中々成長しない木に飽きてしまって、いつの間にか跳ぶのをやめていた。
そして気づかないうちに木は、俺が跳べやしない高さまで成長していた。
そんな俺を見て、父さんは笑ったのだった。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/06(金) 01:22:08.01 ID:bV1zFA7X0
父さんの部屋に入ると、病人の匂いがした。
「よお」
「なんだ、東京から逃げて来たか?」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 01:22:43.16 ID:bV1zFA7X0
「父さん、こっち見なよ」
「…やだな」
「東京はさ、色々としんどいとこだった。そこで頑張れたのはさ、父さんがいたからだよ。むかつく背中がいつも心の中にあったから、だから頑張れたんだよ」
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