14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:30:03.72 ID:gLkbd9Kt0
「あの……」
「何?」
「さっき言ってた能力者とか契約とかってどういうことですか?」
ほんの一瞬、空気が凍りついた気がした。
おばあちゃんは、わざとらしくズズズッと音をたててお茶をすすると立ち上がった。
「さてと、はやせちゃん、そろそろ夕暮れよ。日が落ちるとこの山は危ないからねえ。そろそろ帰った方がいいわ」
「え……?あ、はい」
「送るわね」
「あ、どうも」
おばあちゃんは有無を言わせぬ口調で言うものだから、私はあわてて立ち上がった。
「しーちゃんはここに居て。はやせちゃんにも晩ご飯食べていってもらいたいんだけどもう帰らなきゃいけないでしょ?また来てね」
「はあ……」
私はもうただただうなずくことしかできなかった。おばあちゃんが玄関に周って<回って、だね>草りをはいて出てきた。
私も立ち上がると、おばあちゃんの後に続こうとした。
「夏風さん」
足を前に進めた時後ろから呼び止められ振り向いた。
「私たちまたすぐに――」
「……え?」
突然、強い風に吹かれよく聞こえなかった。聞き返そうとしたら、すぐそばにいつのまにかおばあちゃんが立っていて、何も言えなくなった。
だから私は「緋月先輩、さよなら」と頭を下げるとおばあちゃんの後について帰路についた。
67Res/61.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。