29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:40:20.64 ID:gLkbd9Kt0
「逃がさないよっ」
声と供<共>に黒い影が下りてくる。後ろでしゃがみ込みコンクリートに手を当てていた緋月先輩はその影に覚えがあるようで目を丸くして立ち上がった。
先輩の握ったこぶしが青い電気みたいなものを放っている。影はその正体をかくしていた真っ黒いローブを顔の部分だけとった。
そこには若い二十代くらいの女性の顔があった。
「おば……っ!」
「お黙りなさい」
先輩は何か言おうとしたようだが、その女の人の声があまりにもスゴミがかかっていたので、さすがの先輩もそれ以上何も言えなくなったようだった。
「紫音、悪いけど、この子ちょっとかりるよっ」
「何言って……!もしかしてさっきの攻げきもおば……じゃなくってシズ子さんが……」
「当たり前じゃーん。“聖地”だろうが“公地”だろうがアタシ、関係ないしー。アンタがどうしても契約したいって言うんなら相手になるよっ。アタシを倒せたらこの子はアンタの思うまま。ま、しょせんアンタもまだまだアタシには勝てないだろうけどっ。じゃ、あとは“リコリス”の仕まつ<始末と書きたかったのだろう>よっろしっくねーん!多分、学校の屋上だしザコしか来ないと思うけど」
誰にも話すすきを与えないくらいぺらぺらと言うと、シズ子さんと呼ばれた女性は私の手をつかむと、その場で飛んだ。
「……ひっ……!?」
悲鳴をあげる間もなく、屋上のフェンスをこえ真っさかさまに落ちていく。
そのまま裏庭の池にダイブしそうになったとき、どこからか口笛が聞こえ大きなくろい鳥が現れた。
その鳥は、落ちてゆく私たちを乗せると、急上昇しはじめた。
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