過去ログ - きっと彼の青春ラブコメは間違っている
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97: ◆0NaiNtVZPPaZ[saga]
2013/12/15(日) 15:57:31.81 ID:HH0NU3mX0
ブロック塀に囲まれ、申し訳ない程度に街頭が道を照らす裏道。

夜にここを通ること自体がもはや肝試しにできそうなそんな道に、四人の男がいた。

うち三人は髪を金髪にしたりワックスで逆立てており、耳はもちろん唇や鼻にはピアスがつけられている。

服装も予想を裏切らずチャラチャラとしたもので、あらゆるところに金属類がつけられていた。

残る一人は服装こそ地味なものの、異質さで言えば三人の日ではなかった。

この時期になればたとえ夜でも暑さに苦しめられることが多くなるというのに、その男はコートを着ていた。

フードも深く被っており、時折覗く瞳には隠そうともしない凶暴さが伺える。

???「…………」

その男は三人に目もくれず、夜空に穴を空けたような月を見つめていた。

それもそのはず。なぜなら残りの三人はといえば……すでに地面に倒れている。

ワックスで固めてある髪はぐちゃぐちゃに乱され、顔はピアスこそまだギリギリでついているものの、何をされたのか想像がつかないほど悲惨なことになっている。

首から下も似たようなもので全身に傷がついており、むしろ傷のない箇所を探す方が困難だった。

???「…………はあ」

コートの男がこの状況を作り出したことは火を見るよりも明らかだったが、男はと言えば勝利の余韻に浸るでもなく、月に向かってその視線を固定させたまま、ぼんやりと黄昏ているだけだった。

だからだろうか、彼が人が近づいていることに近づけなかったのは。


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