137: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/24(火) 21:47:24.53 ID:dUpbE7GLo
「理解できんなぁ。それらは他者の妄想であろうが?無能な己の醜い自己願望を、擬似的にかなえる為の自慰にも等しい虚しき産物だろうに?」
そんなことはない。アレらは自分に世界を教えてくれた。言葉を教えてくれた。思考することを、己が人間であることを教えてくれた。どれだけ自分が逃避に走ろうと、それは事実であるのだ。アレは自分にとって『世界の全て』なのだ。
「実はもう、油を注いである。後は着火するだけなのだが……お前が着けるか?」
もはや父の思考は邪悪そのものであった。このまま何も答えなくとも彼が行うことはわかりきっていた。痛みでバラバラになりそうな身体を引きずり、暖炉へ這いずる。身を挺してでも、それを
「おお?どうする気だ?」
もう少し。己が燃えても構わない。『ソレら』が燃えてしまうことは、自分が燃えることと同義なのだ。もう少しで到達する。
「……そうか、そうか」
もう少し、もう少しで。
「そんなに特等席で見たかったか」
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