97: ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2013/12/22(日) 19:39:05.70 ID:00gxN4fro
そうではないらしい。親バカの王が、私財を集め、誕生日の祝いに造っただとかなんとか。
「本当に親バカね。いえ、馬鹿ね」
本当にな。
「納得いったわ。それで、市民の人達の反応はどうだったのかしら?」
当然、騒然とした。しかし、皆が皆喜んでいたのは確かだった。
「それだけかしら?王子様の狙いとは違った結果のようだったけれど」
驚くべくことに、その次の年はヤツが動く必要はなかった。
「へえ?」
戦争が収まり、経済も復興した。豊かになった国は例年通りのクリスマスを迎えることになったのだが、そこで大規模な商戦が起きた。
「あらまあ、どうしてかしら」
去年の聖夜。つまり俺がサンタに扮し街を徘徊したことを皮切りに、その伝説に目をつけた商人たちがいたのだろうな。『クリスマスにプレゼントは当然の事』のように、こぞってその手の商品を宣伝しまくった。
「浅ましいわね」
だが結果として経済は潤い、街も豊かになった。動機はともかくとして雇用は増え、飢える者も少なくなった。
「成程ね、ところでおじさん?」
なんだろうか?
「12月25日は救世主の誕生日で無いって知っていて?」
聞いたことはあるな。どこかの宗教の冬至を転用したんだったか?
「ミトラ教ね。宗教テロとの説もあるけれどそんなことは今は関係なく、そもそもクリスマスはキリスト生誕を『祝う日』なのよ。多くの人が思い違いをしているみたいだけれど」
心底どうでもいいな。
「おじさんはそうでしょうけれどね。世の中にはムキになる人もいるもので、それは商人のでっち上げだ、とか。ひどいところでは悪魔崇拝と混同されるわ」
あ、そう。
「本当に興味がなさそうね。まあいいわ。でも私が思うに『どちらも真実ではない』と思うけれどね」
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