過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/28(土) 05:04:10.60 ID:XEiCvzkC0
『ねえ! あたしの話を聞いてるの!?
そんな銃、今すぐ捨てなさい!!
あたしたち、みんな友達じゃないの!?
仲間じゃないの!? ねぇ!!』
ぱららららっ…ガガガッ
…
辺りが静かになった。もう放送は聞こえなかった。
堤良樹(男子10番)は目を見開いた。
土井雫(女子10番)はぼろぼろと涙を流していた。
銃声と津川麻保(女子9番)の叫び声のあと、高橋良太(男子9番)の声は一度も聞こえなかった。 おそらく、襲ってきた奴によって殺されたのだろう。 そして、麻保はしばらくその襲ってきた誰かに必死に訴えていたが、銃声が聞こえ、ガガッという音が聞こえて、もう何も聞こえなくなった。 ということは、麻保もまた殺され、その時にマイクも壊れてしまったのだろう。
「なんだよ…誰なんだよ…」
良樹は地面を思いっきり殴った。
納得できない。 あんなに必死に訴えている友達を[
ピーーー
]なんて。
あの放送によって、やる気になっている奴がいることが証明された。 他の生徒達もますます疑心暗鬼になって、殺し合いのペースが速まってしまうかもしれない。 停戦を訴えた放送が、逆にみんなを怯えさせる結果となってしまった。 麻保と良太が悪いわけではない。 悪いのはその2人を殺した生徒。 しかし、一番悪いのはこんなことをさせている政府の連中、そしてそんな連中が野放しになっているこの国だ。
「麻保が…麻保がぁ…」
泣きじゃくる雫に、富田宗(男子11番)は自分のハンカチを貸した。
「…じゃあ、オレ行くわ」
その言葉で、良樹がばっと顔を上げた。
「待てよ! わかっただろ!?
やる気になってる奴がいるんだ!
1人じゃ危険なんだ!
一緒にいよう、なっ!?」
宗は首を横に振った。
「いや、せっかくだけど…」
「どうしてだ!?
もう二度と…二度と会えないかもしれないんだぞ!?」
立ち上がり、必死に止める良樹の肩に、宗がポンと手を置いた。
「危険なのはわかってる。 もう二度と会えないかもしれない。
ちゃんとわかってるよ。
オレだってそんなにバカじゃないさ」
「じゃあ…っ」
「探してる奴がいるんだ。
ソイツを守ってやりたいんだ。
きっと今頃震えてる。
やる気になった奴がいるとわかったら尚更。
だから…ゴメン…」
良樹は何か言おうと口を開いたが、そこから出たのは一つの溜息だった。 止められない。 オレに止める権利なんてない。 その守ってやりたい人が、今こうしている間にも危険な目にあっているかもしれない。 もし、オレが雫と一緒にいなかったら、雫を探しに行っているかも知れない。 他の誰に止められようと。
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