過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
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982:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:56:43.53 ID:peHDovB80
涙ながらに訴えてくる鷹城雪美(女子九番)を前に、上野原咲良(女子二番)はどうするべきなのかわからなくなった。

まず、雪美とはそこまで親しい間柄ではない。
雪美はクラスの中でも大人しい女子のグループに属し、クラスの中心で盛り上がる城ヶ崎麗(男子十番)といつも行動を共にしている咲良には滅多に近付いてこない。
学校行事での様子から見て、雪美は目立って騒ぐことがあまり好きではないのだろうな、という印象を持っていた。
以下略



983:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:57:11.57 ID:peHDovB80
プログラムという絶望的な状況下において咲良が自分を保っていられるのは、今傍にいる奨や瑠衣斗、自分たちを逃がしてくれた高須撫子(女子十番)が味方として傍にいてくれることが大きい。
それなのに、雪美は本来傍にいてくれるべき仲間たちに敵意を向けられたという。
それはどれ程の絶望か。
もしも、咲良が今の雪美のように誰も頼ることができない状況で命を狙われているとしたら――考えただけで怖くてたまらない。

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984:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:58:04.74 ID:peHDovB80
「瑠衣斗さん…あの…咲良さんを悪く言うのはやめてください…
 自分も、咲良さんの言ってることは正しいと…思います」

咲良と瑠衣斗の間に奨が割って入った。
奨の大きな背中の向こうで、瑠衣斗がもう一度溜息を吐いているのが見えた。
以下略



985:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:59:23.60 ID:peHDovB80
プログラム本部となっている小中学校から見て真東にあたるE=06エリアのほぼ中心には、御神島唯一の神社が存在し、そこに4人の男女がいた。

島の名前に“神”が入っているが、特別な神様を祭っているものなのかどうかは不明である(この島に昔から住んでいる人に聞けばわかるかもしれないが、生憎プログラムのために島民は全て追い出されてしまっているので聞きようがない)。
まあ、何を祭っていようが関係ない。
たとえ神がいようが何だろうが、現在ここは戦場なのだから。
以下略



986:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 04:59:51.76 ID:peHDovB80
龍輝との会話の間も手鏡とピンセットを用いて自分の眉毛を整えることに必死になっているのは雨宮悠希(男子三番)、龍輝の親友の1人だ。
纏う空気がとても爽やかで文武両道でサッカー部に所属し性格も容姿も良い悠希は、帝東学院中等部屈指のイケメンで人気を二分する城ヶ崎麗(男子十番)と春川英隆(男子十四番)と違って家柄が普通なので(麗も英隆も大企業の御曹司だ、とても普通とは言えない。比べて悠希の父親は公務員らしいので、その普通さに安心感を憶える)、とっつきやすいイケメンだと言われそれなりに人気がある。
難があるとすれば、悠希自身が自分の容姿の良さを自覚している上に、麗や英隆には人気が及ばないことに心から疑問を抱いているというナルシストなところだろう。

「悠希、眉毛抜いてるお前の顔、なかなかおもれーぞ、いいのかよー」
以下略



987:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:00:18.31 ID:peHDovB80
大体出来上がったガンプラの仕上げの作業を龍輝に依頼され、狼狽する様子を悠希にからかわれ、真子は顔を真っ赤にしていた。
真子は女子相手では非常に元気のある子で人当たりも良く、このクラスの中ではどちらかというと取っつきにくい女子とされるギャルグループの湯浅季莉(女子二十番)とも出席番号が前後であるからか気軽に話しかけているところをよく目にする位には積極的なのだが、男子が相手になるとやや萎縮しているように感じる。
意外にも男子が苦手らしい。
そんな真子こそが、華那たち第3班のチームリーダーだ。
腕にある王冠型の印を見た時には青褪めていた真子だったが、龍輝があまりにもあっけらかんと「なんとかなるって、あっははっ」と笑い飛ばし、悠希があまりにも爽やかに「山本さんのことは護るからね」と王子様のように告げ、華那があまりにも呑気に「みんなで生きればいいだけの話だよー」と述べたこともあり、今はリーダーとして全員の命を背負っているというプレッシャーはあまり感じていないように見えた。
以下略



988:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:00:56.36 ID:peHDovB80
龍輝は気遣わしげにそう言うと、華那の色素の薄い天然パーマの頭を優しく撫でた。
いくら昔からの縁があるからとはいえ、年頃の男の子が彼女でもない女の子にするような行為ではないと思うのだが、気遣ってくれてのことだから文句は言わない。

龍輝の言う通り、華那とペースが似ているのんびり屋の荻野千世(女子三番)と同じ班の宍貝雄大(男子八番)と、非常に大人しく内気な室町古都美(女子十八番)と同じ班の圭が名前を呼ばれていることは気に掛かる。
華那が言える立場ではないのだが、2人共鈍くさいところがあるので、怪我などしていなければ良いのだが。
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989:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:01:48.89 ID:peHDovB80
鷹城雪美(女子九番)は、少し大人しめで目立たないごくごく普通の女の子――と周りから見られるように生活してきた。

雪美の実家は少々という修飾語がとても似合わない程に特殊だ。
何を隠そう、雪美の家は、関東一円でその筋の者からは恐れられている極道“鷹城組”。
祖父が組長を務めており、雪美も家を出入りする祖父の部下たちからは“お嬢”と呼ばれ祭り上げられている。
以下略



990:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:02:15.32 ID:peHDovB80
今しがた雪美のチームメイトである榊原賢吾(男子七番)と湯浅季莉(女子二十番)に襲われたばかりだというのに、雪美の涙声での訴えに、雨宮悠希(男子三番)と川原龍輝(男子五番)の顔には動揺が見て取れた。
ホント、男って女の泣き落しに弱いんだから。
しかし、華那は眉をハの字に下げたものの、その瞳から警戒の色は薄れなかった。

「…探してくれてありがとうね。
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991:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:02:49.65 ID:peHDovB80
足を止めかけた華那を批難するように龍輝が叫び、2人の様子がおかしいことに気付いた悠希と真子も速度を緩めた。
その間に賢吾と季莉が距離を詰める。
龍輝と華那に向けて刀を振り被った賢吾の懐に、龍輝が渾身の力を込めた体当たりを喰らわせて賢吾を地面に這い蹲らせた。
そのまま悠希と真子に襲いかかろうとしていた季莉に横から体当たりを喰らわせると、季莉は悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、拝殿の壁に身体を打ちつけた。

以下略



992:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:03:25.89 ID:peHDovB80
池ノ坊奨(男子四番)・真壁瑠衣斗(男子十六番)・上野原咲良(女子二番)を逃がすことに成功した高須撫子(女子十番)は、湯浅季莉(女子二十番)が自分に向けて振り下ろそうとしている鎌を季莉の腕を掴んで止めていたのだが、大きく一呼吸した後全力で季莉の腕を腕相撲のように左側へ押し退けた。
変な方向に腕を捻られた季莉はたまらず悲鳴を上げ、右腕を押さえながら撫子から距離を取り忌々しげに撫子を睨んだ。

「3人も逃がしちゃったじゃない…どうしてくれるわけ…!?」

以下略



993:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:04:33.88 ID:peHDovB80
芳野利央(男子十九番)はチームメイトである阪本遼子(女子八番)・蓮井未久(女子十三番)と共に南西にある住宅地の中を東に向けて移動していた。
少し前まではG


994:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:05:36.06 ID:peHDovB80
明るい髪色、離れた場所にある体の両手首にはリストバンド、ブラウンを基調としたチェック柄のズボンは膝のあたりまで捲りあげられている――この派手な容姿は内藤恒祐(男子十二番)に違いない。
更に目を凝らすと、恒祐より更に明るい色のセミロングヘアが生える頭部――女子でここまで明るい髪色をしていたのは星崎かれん(女子十六番)だけだ。
少し離れた場所には恒祐やかれんに比べればはるかに大きな体が横たわっていた、こちらはクラス一の長身を持つ林崎洋海(男子二十番)か。
そして唯一頭と体が離れ離れになっていない亡骸は、黒髪のストレートヘアーと眼鏡から如月梨杏(女子四番)だと判別できた。
この4人は確か最初の放送で名前を呼ばれ、ライド(担当教官)が『リーダーの如月さんの死亡によって残りのメンバーの首輪が爆発した』と言っていた。
以下略



995:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:06:02.79 ID:peHDovB80
目の前に現れたのは、生まれながらの明るい色の髪と白皙の肌、その中で光る赤みの強い瞳――利央の“好敵手”、城ヶ崎麗だった。
後ろから追いかけてきたのは麗と共に教室を出た木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)だ。
麗たちはやる気ではないはずだ――体の力が一気に抜けた。

「悲鳴が聞こえてさ、急いで来てみたんだけど…何かあったのか?」
以下略



996:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:06:58.58 ID:peHDovB80
きっと麗は最期の時まで(プログラムだというのに、麗が死ぬだなんてことはとても想像ができない。ルールを捻じ曲げてでも麗は生き残っていそうだ)自分の意志を貫き通すのだろう。

「あ、あのさ、利央…」

唐突に声を掛けられ、利央は紗羅へと視線を移した。
以下略



997:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:07:46.90 ID:peHDovB80
辺りは木々に括り付けられた頼りない電球と月の光以外に光源はないので仄暗いのだが、それ以上に空気が重々しく、喩えるなら重油をぶち撒けたような重い暗さが辺りを包んでいるような状況だった。

真壁瑠衣斗(男子十六番)は木の幹に背中を預け、ぼんやりと闇の先を見ていた。
右手は地面に置いたボウガンの上に置かれていたが、とても今は掴める状態ではない――身体から全ての力が抜けてしまったかのようで、頭も酷く重い。

以下略



998:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:08:24.93 ID:peHDovB80
瑠衣斗は決して小柄ではないのだが、女子の中では荻野千世(女子三番)に次いで背丈のある咲良とはほぼ同じ体格の上、体力面では情けないことに咲良が上回っているので、これは決して容易ではなかった。

「落ち着いて、上野原は何も悪くないって何度言えばわかるんだ…ッ!!」

「違うの、あたしが全部悪いの、あたしがッ!!
以下略



999:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:09:00.88 ID:peHDovB80
鼻息を荒くし怒る水田早稀(女子十七番)と、早稀を宥めた日比野迅(男子十五番)――確か2人は付き合っており、そして2班として瑠衣斗たちの少し前に教室を出て行った記憶があった。
2人は、どうなのか。
迅は瑠衣斗とは出席番号が前後になるため何かと組まされる機会があり言葉を交わすことも何度かあった。
愛想はあまり良くないが仲間の面倒をよく見ている、所謂“いいやつ”だ。
早稀のことはよく知らないが、もみじの祖母が開いている駄菓子屋の常連客だそうで、もみじがよく懐いていた。
以下略



1000:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/02/05(水) 05:10:21.65 ID:pPaXg1hSO
うぷぷぷ


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男「兵士の日常」 @ 2014/02/05(水) 04:58:09.80 ID:lpI9XS3EO
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ああああああああああああああああああああああああ @ 2014/02/05(水) 04:56:14.54 ID:NLrgv/uqo
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