過去ログ - 〜 イグノラント・ワールド 〜 「無知の世界」     
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378:>>372続き ◆BVLppWjYzA[saga]
2014/07/13(日) 20:48:54.17 ID:h1LgFglH0
理由は大きく分けて二つある。
一。体力ゲージが減らなかったこと。
二。その数瞬後にはユキナの姿が見えなくなっていたこと。
二つの現象にキラは戸惑ったのだ。

キラ「消えた……?」

キラ「ど、どこに!?」

動揺したが、何時までもそうしていてはきりがない。すぐに気を取り直し、大剣を構え直す。
何時襲ってくるのか分からない恐怖と肌を妬く緊張に身を壊される感覚に耐えて、じっとその時を待つ。


 ◇


数分の時間が流れても警戒を怠らないキラの背を見つめながらユキナは、一人物陰に身を潜めていた。
先ほどの一撃がまだ身体に刻まれている。大した衝撃に肋骨辺りが折れたかと思ったくらいだ。
幸い。幻覚魔法と回復術式魔法を使える容力は幾分か残っていたため、全快状態で身を潜めていられる訳なのだが……。
あの男はなかなか手ごわい相手だった。と、ユキナは心中でそう呟いた。

ユキナ「___、対象確認。再度肉薄を試みます」

しかし何時までも身を潜め続けるわけにもいくまい。
キラがこちらに背を向けている確実な隙をつくべくし、ユキナは物陰から駆けだした。


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