5: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:38:09.26 ID:ewdYN1oo0
…………
ガサゴソ………
6: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:39:16.28 ID:ewdYN1oo0
私が偶然掴んだ最後の一冊……
少なくとも10年以上は経っているであろう、全体的に色褪せてしまっている
表紙や裏表紙を見ても、所々汚れが目立つ
7: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:41:46.69 ID:ewdYN1oo0
『ねえ、ふみかちゃん』
『この本……とってもおもしろいから読んでみてよ』
『……ち、ちがうよ!そういうことじゃなくて……!』
8: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:42:52.67 ID:ewdYN1oo0
「…………?……文香ちゃん?ちょっと、文香ちゃんってば」
文香「……!!!」
叔父「そ、そんなに驚かなくったっていいじゃない」
9: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:50:39.62 ID:ewdYN1oo0
叔父「ん?その本に夢中になってたのかい?」
文香「は、はい……」
叔父「ちょっと貸して……んー、かなり汚れが目立つな……」
10: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:55:35.68 ID:ewdYN1oo0
その夜
文香「…………」ペラ
文香「……、…………」ペラ
11: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:56:13.29 ID:ewdYN1oo0
…………
そうだ………彼だ
この本を手に取った時……頭の片隅に現れた記憶に映っていた男の子……
12: ◆Xh.MVoNL.A[saga]
2013/12/10(火) 05:57:25.21 ID:ewdYN1oo0
『ねえ……この漢字、なんて読むの?』
ユキトくん
13: ◆Xh.MVoNL.A[sage saga]
2013/12/10(火) 05:58:23.27 ID:ewdYN1oo0
『ふみかちゃん』
『ごめんなさい……』
『……ぼく、こんどお母さんとお引越しするんだ……』
14: ◆Xh.MVoNL.A[sage saga]
2013/12/10(火) 05:59:38.32 ID:ewdYN1oo0
…………ああ、そうだ
10年前のあの日……そう、彼が指定したあの日曜日……
あの日を最後に、彼は私の前から姿を消したのだ
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