過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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32: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:01:36.09 ID:3XmGIBxHo

 着替え終わり、教室を出る。青いプラスチックのキーホルダーがついた鍵をぷらぷらさせながら委員長が待っていた。
 プラスチックには私のクラスである『1-C』と書かれた紙が入っている。

「急がないと、もう本鈴が鳴っちゃうよ」

 鍵を閉めようとしながら、そう急かされる。
 マラソンの前に走るなんてごめんだ。

「遅刻しちゃうよぉ」

 本当に今日は厄日だな……。
 とはいえ、こうして着替えた以上、授業に出るしかあるまい。溜息を吐きながら、廊下を小走りで進む。

「あ、待ってよぉ」

 お前は鍵を職員室に置きに行かなくて良いのか?

「本当はそうなんだけど……時間がないし、面倒だから」

 ちょびっと舌を出しながら、照れた表情を浮かべる。
 私のせいとでもいいたいのか?

「ち、違うよぉ」

 右手の鍵を体操服のポケット─このご時勢に古臭いブルマなんてはく奴はいない─にしまおうとした委員長が、弁解するように両手を顔の前で振った。

 分かってるよ。一々予想通りの反応しかしない奴だな。

「対木さん、結構意地悪……」

 今更気付いたのか。遅いな。

 というか、こいつはいつまで着いてくるつもりなんだろう。
 教室の鍵を持っているのがこいつである以上、私が着替えるさっきまで一緒に居たのはわかるが、着替えたのだからもう着いてくる必要はないのに。

「そんな事言わなくても……」

 そういううじうじしたところが尚更癪に触る。


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