過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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37: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:04:38.29 ID:3XmGIBxHo

 駐輪場をぐるっと周り、最北部をゆっくりと走る。
 この日陰を抜ければ再び本校舎の近くで、校門やロータリーが見える。あとは良く分からない旧い木造校舎だったり小さい池だったりと、まぁ風情があるといえばそういえなくもない場所に差し掛かることになる。

「ちょっと言い過ぎなんちゃう?」
「別に」
「寂しそうな顔しとったで?」
「私の知ったことじゃないよ」
「酷いなぁ」
「……っていうか、なんでいるんだよ」

 案の定ナース服は帰っていなかった。
 いつになれば私はひとりになれるんだ。

「いやぁ、行く所なくて食堂から外見とったら、もこちゃん走っとるんやもん」

 見られてたのか。

「しかももこちゃんめっちゃ遅いやん。すぐ追いついたで」

 うるさいな。

 しれっと先ほどまでのにこやかな表情のまま、委員長と入れ替わってナース服が私の隣に陣取った。
 しかもその口ぶりからすると、私と委員長の会話も、ある程度は聞いていたようだ。
 まぁ、会話らしい会話はもとより最初からしてはいなかったけれど。

「うちも地学とやらは分からへんけど、それにしても冷たない?」
「良いんだよ」
「良くないやろ」
「良いんだよ……ところで」

 ご飯代なら返さへんで、と言われた。意外にしっかりと言うか、ちゃっかりしている。さすがは関西といったら叩かれるだろうか。

 まぁ、そんな事はどうでもいい。

「そうじゃなく。一つ、頼まれろ」
「うん?」

 日陰を抜けて、本校舎の横から正面へと走る。

 開けた視界の先では、まばらながらも生徒が同じく走っていた。


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