9: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:55:08.58 ID:1TW+LqO90
バス停にはベンチはあるけど屋根はついていない。
春とか秋はまだ良い、だけど夏は日差しがガンガン照りつけて、雨の日はベンチが濡れてしまうので立って待たないといけなくて不評だったりする。
だけど私は木々から漏れる暖かな日差しを、体一杯に浴びることの出来るこのバス停が大好きだった。
友達に言ったら変わってるねって言われちゃったけど、共感されなくても構わない。ここは私だけのベストプレイスなんだから。
「あっ、行っちゃったか」
お目当てのバスはバス停に着く少し前に行ってしまったようだ。向こうを見ると小さくなったバスが去っていく。
時刻表を確認すると次の停車まで30分もある。近くにコンビニが有れば時間を潰せたけど、生憎学校の周りにはなにもない。
さて、どうしようかな? 時間よ戻れ! と念じてみても時計は規則正しく右回りに動いている。
「ふぁあ、眠くなっちゃった……」
秋の爽やかな風と心地良い陽光の中、ベンチに座るとやっぱり眠気が訪れる。
何も抗う必要はない。背もたれに体を預けて、優しい誘いに身を任せて眠りの中へと飲み込まれていくとしよう。
「すぅ……」
大丈夫、20分ぐらいしたら起きるから――。
私の意識は夢の世界へと緩やかに沈んでいく。さてさて、今日はどんな夢を見るのかな……。
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