17: ◆EOh40d18dA[saga]
2013/12/19(木) 01:51:14.88 ID:iIHcDt8l0
モノクマが消えてから、しばらくは全員動けなかった。
現状に対して怯える人、冷静に物事を見る人、むしろ楽しそうな人と様々だったが、誰もが動こうとしなかった。
超高校級の風紀委員である、石丸清多夏クンが探索を始めてから考えようと提案した事でその場は落ち着いた。
校則を確認し、校舎や寄宿舎を練り歩き、その成果を全員で情報を共有する為に食堂で会議。
結果だけを言えば、ここが完全に封鎖された希望ヶ峰学園だという事しか分からなかった。
様子を見る限りじゃ、外に出たい人はほぼ全員。
そしてその中で誰かを殺そうかと考えている人は……残念ながら、自分の観察眼だけじゃ分からなかった。
それでも、皆が疑心暗鬼になって空気が段々と悪くなっているのは分かる。
どうしたものかと考えていると、誰かが切り出した。
「それで、これからどうする気?」
声の主は、霧切響子。
唯一探索中に自己紹介をしていないのでどんな人かは分からないが、見た限り冷静な性格のようだ。
それはこの重い空気の中でも変わらず、彼女は言葉を続ける。
「このまま……ずっと、にらめっこしている気?」
棘のある台詞だけれど、その棘はボク達を現実に戻してくれた。
「えっと……じゃあさ、一つ提案したい事があるんだけれど……」
ボクは自分の電子生徒手帳を取り出し、二つ目の校則の表示する。
「この夜時間の事なんだけどさ……この時間は皆出歩き禁止にしない?」
「はて、一体何故でしょうか?」
超高校級の同人作家、山田一二三クンが頭に疑問符を浮かべる。
その事に関してボクの考えを説明しようとした所で、思わぬ手助けが現れた。
「夜時間の出歩きを許してしまえば、わたくし達は毎晩怯えながら眠る事になりますわよ?」
発言をしたのは超高校級のギャンブラーであるセレスティア・ルーデンベルク――通称セレスさん。
「誰かが自分を殺しにくるんじゃないか、と……」
何を考えているか普通の人以上に分かりにくい人だが、どうやら彼女もボクとほとんど同じ考えを持っていたようだ。
「誰かが殺しを企むなんて、そんな事は無いとは思いたいけど……それでも、全く疑わないのは危険だと思うんだ」
「うむ、実にいい心がけだ!」
ボクの発言に、石丸クンが同調してくれた。
「寝不足は肌の敵だし、あたしは賛成」
「オレも賛成だぜ」
「我も賛成だ……」
皆も、次々に賛成してくれる。
「では、今日の会議はここまでとする! 以後の活動は校則を守り、明日に備えるとしよう!」
石丸クンの号令を最後に、ボク達は全員食堂を後にした。
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